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手技マニア理学療法士の酷い勘違い
皆さんの周りにもいませんか?
治療手技ばかりを勉強して,全ての疼痛や機能障害が手技で改善すると信じている理学療法士・作業療法士…
こういった理学療法士・作業療法士のおそろしいところは手技を学び,技術を磨けば全てのクライアントを治せると考えているところです.
今回は手技マニア理学療法士の酷い勘違いについて考えてみたいと思います.
全ての疼痛が手技によって改善する?
最近は疼痛についてもきちんとclassificationがなされるようになり,侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,神経可塑性疼痛等と分類されるようになりました.
手技を崇拝する理学療法士・作業療法士がこわいのはこういった疼痛の分類をきちんとしないまま全ての疼痛が自分の学んだ手技で解決すると考えている点です.
特に慢性疼痛なんかは心理社会的要因の影響も大きいわけで,徒手的な手技によって改善する疼痛ばかりではありません.
徒手的な手技を磨けば患者さんが必ず治ると思っているのって酷い勘違いだと思います.
特に疼痛治療に際しては医師・看護師・心理士といった職種も含めた集学的なアプローチが重要となります.
またこういった理学療法士・作業療法士に限って薬物療法や心理社会的要因を全く無視して効果器ばかりに目を向けていることが多いです.
またこういった手技マニア理学療法士に限って薬物療法の影響を無視して,疼痛の改善をすべて自分が行った徒手的な介入に結び付けがちです.
徒手的な手技というのはあくまで疼痛治療におけるチームアプローチのうちのごく一部だと考えるべきです.
手技マニア理学療法士にありがちな勘違い
手技マニア理学療法士が陥りやすいのが流行りの治療をひたすら追って(高額な研修費を支払って),効果が出ないとまた次の流行りの治療を追います(新しい徒手的手技にお金をつぎ込みます).
これを繰り返しているわけですが,なかなかクライアントが改善しないということも少なくないわけです.
疼痛が改善しないのは技術が足りないから?
手技マニア理学療法士・作業療法士に多いのは疼痛が改善しないのは自分の徒手的手技が未熟だからといった考え方です.
そもそもその徒手的手技がクライアントに適しているのかといったような考えもなく,ただただスキルが不足していると考える場合が多いのです.
スキルが不足しているからもう少し研修会に参加してスキルを磨こうと高い研修費を払い続けてしまうわけですね.
こういった疼痛が改善しない場合に,スキルが不足している,練習不足だといった価値観って非常に危険です.
本当に疼痛が改善しないのは徒手的なスキルの問題でしょうか?
そもそも侵害可塑性疼痛のような徒手的な手技では改善しない疼痛という可能性はないでしょうか?
今回は手技マニア理学療法士の酷い勘違いについて考えてみました.
職人として徒手的な技術を磨くのは非常に良いことだと思います.
ただ姿勢や動作を改善することで改善する疼痛とか,効果器に直接触れることで軽減できる疼痛ばかりではありません。
少し視野を広げてクライアントを診療していくといった姿勢も重要ではないでしょうか?
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