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第49回定時総会における報告の中から読み取れる今後の日本理学療法士協会の方向性
先日,第49回定時総会において今後の日本理学療法士協会の方向性を示唆させる報告が行われました.
今回はこの第49回定時総会における報告資料の中から,理学療法士の質の向上に向けた取り組みをご紹介させていただきます.
第49回定時総会における理学療法士の質の向上に関する報告
今回の報告では理学療法士の質の向上に向けた方向性に関して4つの提言がなされております.
分科学会及び部門の法人化(報告資料より抜粋)
元来,分科学会化を推進した背景は理学療法科学の推進でした.
この目的を更に推し進めるために法人化を目指します.
これまで数年間にわたる論議を行ってきましたが,本年度中に方向性を確定します.
法人化を達成した理学療法学会は「法人理学療法学会連合」に参加することとし,本会はこの連合に対して財政支援する方向で進めていきます.
また,法人化が困難な団体はこの連合の準会員として5 年間の猶予を与えることを検討しています.
分科学会の法人化については以前もご紹介させていただきました.
現在のところ,日本神経理学療法学会,日本予防理学療法学会,日本運動器理学療法学会の3分科学会の法人化が公表されております.
いずれも登録会員数が多い3分科学会ですが,今後は他の分科学会においても法人化が進められることとなります.
所属会員数によって法人化が困難な場合には準会員といった措置が取られるようですね.
新生涯学習システム(報告資料より抜粋)
このブログの中でも新生涯学習システムについては何度か取り上げさせていただきましたが,ここでは都道府県理学療法士会および会員への説明が目標として掲げられております.
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって新生涯学習システムへの移行のタイミングは1年先送りとなりました.
また新しい認定理学療法士・専門理学療法士の更新要件に関してはパブリックコメントこそ求められたものの,現在のところ最終的な更新要件の発表は行われておりません.
新生涯学習システムから今後も目が離せませんね。
4年制大学化5か年計画の推進(報告資料より抜粋)
今総会に4 年制大学教育の推進5か年計画を提案させていただきます.
この4 年制大学には専門職大学及び4 年制専門学校を含めるという方針で行きます.
5 か年計画の初年度として,理学療法士及び作業療法士法の改定案を作成します.
論議過程においてはこの双子法をどのように考えるのかについて作業療法士協会との打ち合わせも必要と考えています.
なお,この論議にあっては理学療法士以外の有識者並びに法律関係者を含める必要があります.
今回の報告の中で私が最も驚いたのはこの4年制大学化に関する報告です.
以前から理学療法士養成校の4年制大学化の話はありましたが,今回の報告では理学療法士および作業療法士法の改訂案の作成といった具体的な案が報告されております.
日本作業療法士協会といかに足並みをそろえられるかがポイントとなりそうですが,やはり4年制大学化は理学療法士の職種としての立場を確固たるものとするためにも必須ですので,新たな動きがあるというのは非常にうれしいですね.
理学療法士国家試験の適正化推進(報告資料より抜粋)
最後は理学療法士国家試験の適正化に関する報告です.
毎年の理学療法士国家試験の合格発表を見ていても必ずといってよいほど不適切問題が公表されております.
理学療法士・作業療法士を目指す学生の合格にも関わることなので国家試験問題の適正化に向けた動きが進められるというのはよいことですね.
今回はこの第49回定時総会における報告資料の中から,理学療法士の質の向上に向けた取り組みをご紹介させていただきました.
この報告書の中からも今後日本理学療法士協会が理学療法士の質の向上に向けて何を優先したいかが見てとれますね.
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