ついに自費リハにメスが入れられる?自称リハと自費リハ

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ついに自費リハにメスが入れられる?

2020年6月4日に日本医師会総合政策研究機構が,経済産業省からの委託を受けて作成した「公的保険外・医療周辺サービス実態調査」の報告書を公開しております.

この報告書では,民間事業者による自費リハビリテーションを提供する施設が増加していることが明らかにされており,理学療法士・作業療法士が理学療法士・作業療法士といった名称を名乗って,障害のある型に対する施術を独立開業して行うことは認められていないことを改めて明確にしております.

事実上,今後は自費リハビリテーションにメスが入れられることになりそうです.

今回はこの公的保険外・医療周辺サービス実態調査の報告書についてご紹介させていただきます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自費リハビリテーションと自称リハビリテーション

この報告書の中では自費リハビリテーションという言葉と自称リハビリテーションという言葉が使い分けられております.

医療機関が実施するリハビリテーションには,公的保険によるものと公的保険外によるものがありますが,医療機関が実施する公的保険外のリハビリテーションサービスを自費リハビリテーション,医療機関以外の民間事業者が提供する医療行為ではないサービスを自称リハビリテーションと定義しております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

民間事業者による自称リハビリテーションの規制(報告書より抜粋)

理学療法士および作業療法士は,身体に障害のある者に対して医師の指示の下に理学療法,作業療法を行う者である.

PT・OT の業務は,医師の指 示の下での診療の補助に限定されており,理学療法士,作業療法士として名乗って,障害のある者に対する施術を独立開業して行うことは認められていない.

東日本大震災復興特区では訪問リハビリ事業所の開設が認められていたが2019年度末で期限が切れることから(福島県を除く),今後の取り扱い(全国展開も視野に入れて)について,検討することになっている.

一方,医師の指示の必要がない介護予防事業等については,厚生労働省は理学療法士を名乗って行うことが可能であると判断している.

また,日本理学療法士協会も,予防目的の運動指導については,医師法,理学療法士およ び作業療法士法に抵触しないとの見解をあらためて示している.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自称リハビリテーションサービスの増加の背景(報告書より抜粋)

2010 年の経済産業省の報告書において,フィットネス事業者のリハビリテーションへの参入が提案された.

その後の「日本再興戦略」(2013 年)で,医療機関から指示を受けた運動サービス等を創出することとされた.

こうした背景が「自称リハ」の参入,増加を後押しした可能性がある.

また自称リハビリテーション拡大の背景にPT・OTの増加も挙げられる.

1998年に柔道整復師養成施設が指定基準を満たしているにもかかわらず厚生大臣が指定を行わないのは違法であるとの判決が下されたこと,規制緩和で許可制・認可制から届出制への移行が求められたことによる医療関係職種の養成校の開設が増加した.

厚生労働省はPT・OTの供給数は既に需要数を上回っており,2040年には供給数が需要数の約1.5倍になるとの推計を示している.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自称リハビリテーションの事例(報告書より抜粋)

現在、都市部を中心に「自称リハ」を提供する事業者が散見される。

まとめると

  • 「自称リハ」の事業者規模は,全国展開しているところから,個人経営のところまで様々である.
  • 医師のリハビリ指示書の持参を推奨するところがある一方,ホームページ上で「トラブルが発生した場合,利用者又は第三者に損害が生じた場合であっても,本サービスが利用者の自己責任のもと利用されるものであることに鑑み,弊社は,損害賠償その他一切の責任を負担致しません」等と断っているところもある.
  • 多くの事業者が,サービスに疾患名を冠して「脳梗塞リハビリ」「脳卒中・神経疾患専門リハビリ」のように称している.
  • 「理学療法士」を名乗らず「セラピスト」と称しているところがある.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自称リハビリテーションの今後(報告書より抜粋)

自称リハは,一定の顧客ニーズの下で事業を展開している.

主要顧客である高齢者の増加と理学療法士・作業療法士の増加を背景として,今後も市場ポテンシャルが高まると予測される.

むしろ過剰な供給体制が市場を喚起することも予見される.

他方,自費サービスの展開は利用者の家計等の影響を受けることも考慮しておく必要がある.

自称リハ事業者の多くは自費リハビリと称し,プログラム名に疾患名(脳梗塞,心疾患)を冠しているところがある

介護予防事業等については理学療法士・作業療法士と名乗ることもできるが,セラピストと称しているところもある.

利用者にとって,医療なのか,福祉系のサービスなのか,一般的なサービスなのかわかりにくい

リハビリテーションの定義を確認し,名称の見直しを行う必要がある.

「自称リハ」の中には,医師のリハビリテーションへの指示書の提示を推奨しているところや,利用者が医療機関からの紹介で来店するなど,医療と密接に連携しているところもあるが,その対極にあるようなところもある

「自称リハ」について,医療本体との棲み分けや連携のあり方を明確にし,また質の担保と利用者保護の観点から業界ガイドラインを策定することが求められる.

 

今回はこの公的保険外・医療周辺サービス実態調査の報告書についてご紹介させていただきました.

自称リハビリテーションという用語に驚愕…

脳梗塞リハビリテーション○○なんてもろに報告書に名指しされちゃってます.

そもそも必要な算定上限日数の影響で医療を保険外でやらないといけないような状況があるのも事実ですし,自費サービスは社会的な必要性も高いと考えられますが,ガイドラインが整備され今ほど自由な経営はできなくなりそうですね.

ガイドラインがどのようなものになるかですが,医師・看護師との連携が求められそうですし,自費リハビリ(自称リハビリ)を提供されている理学療法士・作業療法士は大きな改革を迫られることになりそうですね.

コメント

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