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新型コロナウイルス感染拡大が医療機関の経営に与える影響
2月末から全国に新型コロナウイルスの感染が拡大し始めましたが，それに伴って医療機関の経営にも大きな影響が出始めております．
夏のボーナスはどうなるのかと気が気ではない理学療法士・作業療法士の方も多いと思います．
今回は日本病院協会から出された医療機関の経営状況に関する調査結果をご紹介させていただきます．
一般社団法人日本病院会・公益社団法人全日本病院協会・一般社団法人日本医療法人協会による調査結果（新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(最終報告)より転載）
このたび，一般社団法人日本病院会，公益社団法人全日本病院協会，一般社団法人日本医療法人協会では，新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況を把握する事を目的として，合同でアンケート調査を実施した．
調査期間は5月7日～5月21日であり，3団体に加盟する全病院（4,332病院）を対象としてメールで調査票を配布した．
5月21日現在の回答数は1,317病院 (有効回答数1,307病院，有効回答率30.2％)であった．
4月度は病院の外来患者・入院患者共に大幅に減少しており，経営状況は著しく悪化していた．
地域医療を継続するためには様々な支援が必要となる．
特に新型コロナウイルス感染患者の入院を受入れた病院では，診療報酬上の様々な配慮はあったものの経営状況の悪化は深刻であった．
また，病棟閉鎖せざるをえなかった病院の悪化傾向は顕著であった．これらの病院への緊急的な助成がなければ，今後の新型コロナウイルス感染症への適切な対応は不可能となり，地域での医療崩壊が強く危惧される．
どのくらいの医療機関が新型コロナウイルス患者を受け入れているのか？
ではどのくらいの医療機関が新型コロナウイルス感染患者を受け入れているのでしょうか？
結果は受け入れ病院が28.5%であり，おおよそ4分の1の医療機関が新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていることになります．
ただ実際には受け入れ病院ではこういったアンケートに積極的に回答する医療機関が多いと思われる一方で，未受け入れ病院ではこういったアンケート調査への回答率が低いことを考えると，選択バイアスの可能性も否めません．
実際にはもう少し受け入れ病院の割合は低い可能性も考えられます．
また一時的に病棟を閉鎖している医療機関が14.7%もあるというから驚きです．
データの詳細を見ても関東・関西圏は大きな影響を受けていることが分かります．
新型コロナウイルス患者受け入れ病院と非受入病院間で収益に差があるのか？
気になる収益ですが新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療機関と受け入れていない医療機関で収益に差があるのでしょうか？
結果は新型コロナウイルス感染症患者を受けて入れている医療機関で12.0%の利益率減，受け入れていない医療機関で7.4%ですので，感染症患者を受け入れいている医療機関における利益率が低いことがわかります．
外来患者はどのように変化しているのか？
このグラフを見てもわかるように外来患者数については延患者数，初診患者数ともに昨年度よりも大きく減少していることがわかります．
4月の初診患者数なんておおよそ半減しておりますので，これはすごい影響です．
入院患者数はどのように変化しているのか？
入院患者数はどうでしょうか？
入院患者数は外来患者数ほどではありませんが，4月で見ると6.6%病床利用率が低下していることが分かります．
部分的に病棟を閉鎖した医療機関も多かったので当然といえば当然ですが，入院患者数も著しく減少ていることが分かります．
日本整形外科学会や日本外科学会でも不要・不急の手術の延期が促進されておりましたので，予定手術の減少によって入院患者数の減少が起こった可能性は高いですね．
今回は日本病院協会から出された医療機関の経営状況に関する調査結果をご紹介させていただきました．
入院・外来ともに患者数が著しく減少しているといった結果でした．
第2波の影響がちらほら出てきておりますので，5月以降もこの患者数減少は急激には改善しないことが予測されますね…
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