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認定理学療法士は診療報酬上で評価されることがあるのか?
先日,2019年度の認定理学療法士の合格発表が行われ,SNSは合格者の喜びの声であふれました.
そんな中で認定理学療法士を取得して何の意味があるのかといった声も聞かれました.
以前からある話ですが認定理学療法士や専門理学療法士といった資格が診療報酬上で評価される日は来るのでしょうか?
今回は認定理学療法士の診療報酬上のインセンティブについて考えてみたいと思います.
認定理学療法士に加算がつく?
加算というのはどういった形式が考えられるでしょうか?
例えば昔あった話ですが認定理学療法士を取得している理学療法士には現行の運動器リハビリテーション料185点に加えて,1単位当たりプラス10点加算をつけましょうといった制度です.
ただこれって考えてみるとありえませんよね?
そもそも診療報酬が削減されている状況で,通常のリハビリテーション料にプラスαなんていうのは現実的ではありません.
それならば認定理学療法士は185点,認定理学療法士でなければ165点といったように認定理学療法士を取得していない理学療法士のリハビリテーション料を下げて差別化を図るといった考え方もあります.
ただこれって認定理学療法士が普通の理学療法士になって,普通の理学療法士が減算理学療法士になるだけですので,結局のところ理学療法士の価値を下げることに他ならないわけです.
また現在のところ認定理学療法士取得者は全会員の10%弱ですが,仮にこのまま認定理学療法士の数が増えると診療報酬は普通に上がってしまいますので,認定理学療法士数に制限をかける必要が出てきます.
認定理学療法士数が多くなるのを防ぐために取得条件や更新条件の難易度を上げてしまうと,そもそも認定理学療法士資格の価値自体がばらついてしまうことになります.
施設基準に組み込むのは?
リハビリテーション料への加算はどう考えても難しそうですので,施設基準に組み込めばといった話もあります.
認定・専門理学療法士を取得した理学療法士のリハビリテーション料に加算をつけるのではなくて,各施設に専従療法士として1人もしくは必要な人数を配置することを義務化するといった方法です.
こすれば加算をつけたり減算をしたりすることなく,制度的に病院側は認定・専門理学療法士を雇用することになりますので,認定・専門理学療法士資格の価値を高めることにもつながります.
認定理学療法士を取得したいと考える理学療法士も増え,結果的に日本理学療法士協会に入会する理学療法士も増えそうです.
「認定理学療法士●人従事していれば施設基準●」といった形式ですね.
2019年12月5日リハノメチャンネルでの半田会長のコメント
ただここまでのお話はあくまで認定理学療法士を持った理学療法士の願望であって実際には診療報酬上でのインセンティブは少なそうです.
この件に関して2019年12月5日リハノメチャンネルで半田会長がコメントされております.
◆登録・認定・専門理学療法士に対する診療報酬上のインセンティブは?
⇒整形外科医でも教授が手術しても新卒医師が手術をしても診療報酬上の点数は同じ
⇒理学療法士のみ資格制度で診療報酬上のインセンティブをつけることは難しい
⇒医療広告への掲載が限界
⇒しかしながら理学療法士が余る時代が今後くる
⇒競争社会で生き残るための1つの証明書になるようなものになれば良いと考えている
こんなコメントです.
つまりは現状では診療報酬上でインセンティブを得るのは難しそうです.
認定理学療法士はスタート
今回認定理学療法士を取得された方もこういたツイートをされている方が多かったのですが,認定理学療法士の取得ってあくまでスタートにすぎません.
この資格取得のために得た知識や経験を今後どう生かすかといった視点が重要です.
認定理学療法士を生かすも殺すも自分次第ということになるでしょう.
認定理学療法士を取得した理学療法士の活躍が全国的に増えれば認定理学療法士そのものの価値も必然的に高まると思います.
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