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認定理学療法士数の増加に対して専門理学療法士数の増加は非常に緩やか
認定理学療法士の新規取得者の増加については先日ご紹介させていただきましたが,これに対して新規取得者数が伸びていないのが専門理学療法士数です.
認定理学療法士が3,000名近く増えている状況で,専門理学療法士はどのくらい増えているのでしょうか?
今回は2018年度までのデータをもとに専門理学療法士数の推移についてご紹介させていただきます.
新規専門理学療法士取得者は非常に少数
以下の表は新規専門理学療法士数を表したものです.
基礎 | 神経 | 運動器 | 内部
障害 |
生活
環境 支援 |
物理 | 教育・
管理 |
||
2014年度 | 1 | 4 | 2 | 4 | 2 | 0 | 1 | 14 |
2015年度 | 1 | 5 | 15 | 5 | 1 | 1 | 3 | 31 |
2016年度 | 3 | 13 | 12 | 10 | 8 | 1 | 4 | 51 |
2017年度 | 4 | 6 | 7 | 4 | 0 | 0 | 2 | 23 |
2018年度 | 2 | 5 | 13 | 5 | 9 | 1 | 2 | 37 |
合計
225人 |
25 | 44 | 67 | 41 | 26 | 6 | 16 |
この表からわかるのは専門理学療法士は5年で225名しか増加していないといった点です.
認定理学療法士が5年で8,000人近く増えていることを考えるとかなり少ないです.
また領域によって偏りはあるものの,運動器を除いてはどの領域においてもここ5年間で専門理学療法士の増加は50名以下であるといった点もポイントです.
さらに認定理学療法士ことは異なり,新生涯学習プログラムへの移行に伴い,専門理学療法士資格取得におけるハードルが高くなるにもかかわらず,専門理学療法士資格の駆け込み取得者が少ないといった点もポイントです.
なぜ専門理学療法士数が増えていないのか?
話としては簡単です.
ハードルが高すぎて取得できる理学療法士が少ないのです.
いかに論文を書いている理学療法士が少ないかがわかります.
こんなことを言っては怒られそうですが認定理学療法士って少し頑張れば誰でも取れますからね…
専門理学療法士の場合はそうもいきません…
素人が少し頑張ったくらいでは,日本理学療法士協会が発行する理学療法学に論文がアクセプトされませんもんね.
今後専門理学療法士はむしろ減少する?
先日も専門理学療法士更新で不合格となった理学療法士が多かったニュースを紹介させていただきました.
年間の増加数が50名にも満たない状況で,更新に際して不合格となり専門理学療法士資格を剥奪される理学療法士が増えている状況ですので,結果的に専門理学療法士は減少するもしくはほとんど増えないと考えてよいでしょう.
今回は2018年度までのデータをもとに専門理学療法士数の推移についてご紹介させていただきました.
専門理学療法士数はほとんど増えておりませんし,むしろ更新で減少していることを考えると,なにかしらの抑止力が働いているようにも感じます.
増やさないということはそれだけ希少価値があるということになりますので,誰でも取れるどんどん増える認定理学療法士とは一線を画した資格となりそうです.
創いった意味でも現在,専門理学療法士資格を取得している理学療法士は是が非でも専門理学療法士資格がなくならないように確実に更新をしたいところですね.
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