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第18回日本神経理学療法学会学術大会は予算度外視での開催を決意!!
ご承知の通り新型コロナウイルス感染拡大の影響で,理学療法士界隈の学術大会も軒並み中止または延期となっております.
日本理学療法士学会が主催する分科学会の中でも,参加者数が多いのが日本運動器理学療法学会学術大会,日本神経理学療法学会学術大会,日本予防理学療法学会学術大会です.
先日,日本運動器理学療法学会は今年度の分科学会の中止を発表しました.
苦渋の決断だったと思います.
日本予防理学療法学会は既にWeb学会開催について準備を進めております.
そんな中で気になるのが日本神経理学療法学会の動きです.
最近は2,000名以上の理学療法士が参加する大規模な分科学会ですので,開催がどうなるのかが気になっておりましたが,大畑学会長から非常に熱い,そして理学療法士に勇気を与えるメッセージが発表されました.
今回は第18回日本神経理学療法学会学術大会は予算度外視での開催を決意した件についてご紹介させていただきます.
2020年のシュプレヒコール -日本神経理学療法学会の意思決定について-(HPより転載)
拝啓 この度は新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、皆様方におかれましては、日々、大変厳しい状況にあるのではないかと懸念いたしております。
この未曾有の事態のなかで、また、連日のように報道される新規感染者数や死亡者数を受けて、皆様の心労はいかばかりかとお察しいたします。
特に、医療機関を中心としたクラスターの発生は、多くの方に強い危機感を抱かせたのではないでしょうか。それはおそらく、自らが感染するリスクのためではなく、自分が患者に感染させてしまうかもしれないという恐怖によるのではと拝察いたします。
医療従事者の中でも、理学療法士という職種は心身両面とも最も患者のそばにいる職種の一つです。
患者に寄り添って歩くことを生業とする我々にとって、それが故にリスクになるという今回の状況は遺憾に堪えません。
このような状況下のために、日本理学療法学会における多くの分科学会の学術大会や研究会は中止を余儀なくされました。
しかし、日本神経理学療法学会は、今回、決して「中止」という選択肢を選ばないことを決意いたしました。準備委員会、運営幹事会の総意により、今秋、可能であれば京都の地で、状況が許さなければWeb上で皆様をお迎えしようと準備を進めてまいります。
決意の理由は以下の3つです。
ひとつは、「我々は学び続けなければならない」からです。
たとえどのような状況にあっても学び続けるという我々の意思が、過去に歩んでこられた先達の理学療法士の想いに応えることになると信じるからです。
二つ目は「我々は対話し続けなければならない」からです。
たとえどのようなつらい思いをしている時でも対話し続けるという我々の行動が、現在、苦難に立ち向かっている理学療法士たちを励ますものになると信じるからです。
三つ目は「我々は進み続けなければいけない」からです。
たとえ本学会がどのような困難にあっても進み続ける我々の営みが、将来、後に続く理学療法士たちに勇気を与えるものになると信じるからです。
日本でオリンピックが行われる記念すべき年に開催されるはずだった今年の第18回日本神経理学療法学会学術大会は、当初の希望を叶えることは難しくなりました。
現実問題として、Web開催では採算が取れないかもしれませんし、通常通りに開催できたとしても参加者数も学会発表数も激減が予想されます。
しかし、だからこそ、我々はこの大会を通して、ささやかな「シュプレヒコール」をあげたいと願います。
小さな声が広がり、しだいに重なり、やがて大きなひとつの声となり、確かな変革をもたらす息吹となることを夢見て。
敬具
第18回日本神経理学療法学会学術大会 大会長
日本神経理学療法学会 代表運営幹事
大畑光司
理学療法士は学び続けなければならない
大畑学会長のメッセージに非常に感銘を受けました.
理学療法士はどんな状況であっても学び続けなければならないということを忘れてはなりませんね.
実際に感染が拡大している現状でもわれわれはクライアントに対して理学療法を提供する立場にあります.
少しでも効果的な理学療法を提供できるように学びを止めてはならないわけです.
もちろん学びの場というのは学会に限ったものではありません.
ただ学術大会だからこそ成し得ることがたくさんあります.
異なる考え方を持った理学療法士間で議論することで,新しい学びを創造し,学問としての理学療法学を発展させます.
予算は度外視
日本運動器理学療法学会においても今年度の学会のWeb開催が検討されました.
しかしながら予算の関係で残念ながら中止となってしまったわけです.
大畑学会長のメッセージにもあるように,現実問題としてWeb開催では採算が取れない可能性は高いですし,通常通りに開催できたとしても参加者数も学会発表数も激減が予想されます.
予算度外視での学会開催というのは非常に勇気のいる決断だったのではないかと推測します.
われわれ理学療法士個人ができることは学会に参加することです.
もちろん通常の開催の場合にはわれわれの立場を考えれば参加が難しいかもしれませんが,Web学会の場合は自宅からでも参加が可能です.
熱い神経理学療法学会の理事の先生方,大畑学会長の勇気に応えるためにもわれわれも学会に積極的に参加したいですね.
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