理学療法士・作業療法士に腱反射って必要?

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理学療法士・作業療法士に腱反射って必要?

先日からSNSで話題となっているのが理学療法士・作業療法士に深部腱反射が必要か否かといった問題です.

確かに深部腱反射で錐体路に障害がなんて言っても,そんなことはMRI見ればわかりますよねって話になってしまいます.

ただ深部腱反射からわかることって多いですし,脳血管障害はともかく脊髄障害では腱反射は必須だったりします.

今回は理学療法士・作業療法士にとって腱反射が必要か否かについて改めて考えてみたいと思います.

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深部腱反射の亢進は何を意味するのか?

まずは基本的なところですが深部腱反射の更新はα運動ニューロンの興奮を意味します.

元来,脊髄のα運動ニューロンは中枢から抑制されているわけですが,α運動ニューロンが興奮しているということは皮質脊髄路(錐体路)になんらかの問題があると解釈できます.

つまり深部腱反射が亢進している場合には,皮質脊髄路に何らかの障害があると判断できます.

これは基本的なところですので復習ということで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深部腱反射の低下・消失は何を意味するのか?

これも基本的なところではありますが,深部腱反射の低下・消失は下位運動ニューロンの興奮性低下を示します.

深部腱反射が低下または消失している場合には,α運動ニューロンより遠位の神経または筋に障害があると判断することができます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深部腱反射を見なくても筋緊張を見れば良い?

深部腱反射が必要ないと考える人の多くに,深部腱反射の代わりに筋緊張を評価すればよいといった考えがあります.

確かに上位運動ニューロンの障害は深部腱反射・筋緊張を亢進させます.

つまり深部腱反射亢進=筋緊張亢進と考えたくなりますが,実際には深部腱反射亢進=筋緊張亢進ではないのです.

特に弛緩麻痺症例においては筋緊張はflaccidであっても,先に深部腱反射が亢進する症例は少なくありませんので,麻痺の改善を考える上では大きな情報になります.

深部腱反射というのは上述したように,α運動ニューロンの興奮性を評価する指標となります.

深部腱反射というのは腱を叩打することで,腱(筋紡錘)を急激に伸張させ,伸張反射を誘発していることとなります.

ちなみに間代(クローヌス)は急激な関節運動を起こさせることで腱(筋紡錘)を急激に伸張させ,伸張反射を誘発していることになります.

つまり深部腱反射と間代というのは腱に伸張刺激を加えるという意味では同じわけです.

電気生理の分野ではα運動ニューロンの興奮性を評価するために,H反射(Hoffman反射)が用いられますが,これは筋紡錘ではなくIa線維を直接的に刺激して,α運動ニューロンの興奮性を見る方法です.

したがって純粋なα運動ニューロンの興奮性を評価するのであればH反射をみることになります.

ただ臨床上はα運動ニューロンの興奮性を評価するために,H反射を誘発することは難しいので,代替的に深部腱反射を利用するわけですね.

筋紡錘の感度はγ運動ニューロンによって調整されておりますので,厳密には腱反射・間代はγ運動ニューロン・α運動ニューロンを含む興奮性を評価していることとなります.

ちなみに筋緊張を制御しているのもγ運動ニューロンです.

また筋緊張のみならず深部腱反射を評価する意義がもう1つあります.

筋緊張が亢進している場合には,伸張反射が亢進している場合もあれば,筋の粘弾性による変化を受けている場合もあります.

つまり伸長反射が亢進しているのか,筋の粘弾性が変化しているのかを評価するためにも深部腱反射の評価は重要になるわけです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深部腱反射の応用的な使い方

皆様は理学療法・作業療法の中で姿勢反射を利用することってありますか?

急性期の脳卒中例においては姿勢を変化させるだけでも筋緊張が変化します.

もちろん直接的に筋緊張を評価しても良いわけですが,深部腱反射を用いて姿勢によるα運動ニューロンの興奮性を評価することで促通運動に活かすことができます.

例えば非麻痺側を下にした側臥位姿勢で,麻痺側下肢の屈筋群におけるα運動ニューロンの興奮性を高くすることができれば,屈筋群の促通運動に使えますよね.

この際に姿勢による屈筋群の反射の相違を評価すれば,姿勢がα運動ニューロンの興奮性に与える影響を評価できますよね.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脊髄病変に対する深部腱反射

個人的には脳損傷例よりも脊髄病変を有する症例に対する深部腱反射の方が評価の意義が高いと考えます.

脊髄病変においては画像での神経症状の予測が難しい場合も少なくありませんので,画像評価に依存することなく病態把握のために神経学的所見の評価は必須です.

腰部脊柱管狭窄症とか椎間板ヘルニアなんかは,筋力・表在深部感覚・病的反射・腱反射を総合的に評価して高位に関する評価を行う必要がありますので,深部腱反射も情報としては役立ちますね.

 

今回は理学療法士・作業療法士にとって腱反射が必要か否かについて改めて考えてみました.

検査・測定も結局のところは優先順位だと思います.

これは腱反射に限ったことではありませんが,深部腱反射は全例に対してroutineに行う必要がある検査・測定だとは思いませんが,全く不要な検査・測定でも無いと思います.

当たり前ですが理学療法士・作業療法士は病態を考慮した上で深部腱反射を必要に応じて実施すればよいということだと思います.

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