2020年診療報酬改定におけるリハビリテーション実施計画書に関する疑義解釈

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2020年診療報酬改定におけるリハビリテーション実施計画書に関する疑義解釈

皆様もご存知の通り2020年3月31日に2020年度診療報酬改定に関する疑義解釈が発表されました.

この疑義解釈についてはさまざまな波紋を読んでおりますが,なかでも理学療法士・作業療法士に関わるリハビリテーション実施計画書に関しても疑義解釈が出されたことで,新年度を迎えて早々に運用方法に頭を悩ませている管理者の理学療法士・作業療法士も多いと思います.

今回は2020年診療報酬改定におけるリハビリテーション実施計画書に関する疑義解釈について考えてみたいと思います.

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2020年3月31日に出されたリハビリテーション実施計画書に関する疑義解釈(抜粋)

問120 リハビリテーション総合実施計画書を作成した場合は、リハビリテーション実施計画書として取り扱うことでよいか?
(答)従前のとおり、作成したリハビリテーション総合実施計画書については、リハビリテーション実施計画書として取り扱うこととして差し支えない。

 

問121 多職種協働で作成しリハビリテーション実施計画書の説明に関して、理学療法士等のリハスタッフが患者や家族に説明を行い、同意を得ることでよいか?
(答)医師による説明が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リハビリテーション総合計画書で,リハビリテーション実施計画書の代用ができる

この疑義解釈の中で重要なポイントはまずリハビリテーション総合計画書で,リハビリテーション実施計画書の代用ができることが改めて明記された点です.

私も知らなかったのですが,実はこの点に関しては以下のような通則の事務連絡が過去にもなされているようです.

疾患別リハビリテーションを算定している患者にリハビリテーション総合計画書を作成した際にもリハビリテーション実施計画書が必要なのか?
従来通りリハビリテーション総合計画書を作成している場合には必要ない

もちろん初回のリハビリ実施時にもリハビリテーション総合計画書で,リハビリテーション実施計画書の代用が可能となります.

また総合計画評価料の算定は,この計画を実施した結果について多職種で評価した時点で算定可能となっています.

つまり算定のタイミングというのは署名をもらったタイミングではなく,評価を行ったタイミングであるといった点もポイントです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リハビリテーション実施計画書の説明は医師による説明が必要

今回の疑義解釈で最も波紋を広げたのはこの医師の説明に関わる部分です.

理学療法士や看護師による計画書の説明はNGで「医師による説明が必要である」と明示されてしまったのです.

正直,ここはグレーにしておいてほしかったです.

Q&Aで出しちゃだめな内容でした…

これによってリハビリテーション実施計画書の運用に頭を悩ませる管理者の理学療法士・作業療法士は多いと思います.

特に急性期の医療機関では医師が個別に説明なんてほぼ不可能ですよね.

今回の診療報酬改定では医師のタスクシフティングが図られる中で逆行した回答に矛盾を感じました.

ここはまだはっきりとしておりませんが,リハビリテーション実施計画書の場合には医師による説明が必要なのか,リハビリテーション総合計画書の場合には医師による説明は不要(理学療法士等でも良い)のかは不明です.

ただ考えてみるとリハビリテーション総合計画書でリハビリテーション実施計画書を代用するということは結局のところリハビリテーション総合計画書の場合は医師の説明が不要といった理屈は成立しないとも考えられます.

したがってリハビリテーション総合計画書であろうが,リハビリテーション実施計画書であろうが3か月に1回のタイミングで医師による説明が必要ということになってしまいます…

現実的には医師からのリハ処方でリハ開始→数日以内にリハスタッフでリハ総合実施計画書作成(目標やリハビリテーション内用は医師の処方箋を参考に)→医師の署名と患者説明→説明後にリハスタッフで追加説明+患者サイン→後日算定といった流れが現実的ではないでしょうか?

 

 

 

今回は2020年診療報酬改定におけるリハビリテーション実施計画書に関する疑義解釈について考えてみました.

まだまだはっきりしない部分も多いですが現状では正解は無く,今後の監査を通じて何が正解かがはっきりしてくるのでしょうね.

リハビリテーション料について全例返還命令が下れば損失が1億を超えるところも多いと思いますので,理学療法士・作業療法士としては危ない橋はわたりたくありませんね.

コメント

  1. 加藤大悟 より:

    いつも拝見させていただいております。
    総合実施計画書での代用について、明文化が初めてであるとの記載についてですが、以下の記載が以前からあるので噂ではなく実際に代用可能であると思いますがいかがでしょうか(関東信越厚生局の適時調査では、担当者の方から直接説明も受けました)

    「リハビリテーション通則 事務連絡
    問9 疾患別リハビリテーションを算定している患者にリハビリテーション総合計画書を作成した際にもリハビリテーション実施計画書が必要なのか。
    答え 従来通りリハビリテーション総合計画書を作成している場合には必要ない」

    私の勘違いや読み違いであれば申し訳ありません。
    いつも有用な情報提供をしてくださっていることに、あらためて感謝申し上げます。

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