理学療法士・作業療法士配置数が少ないためにリハビリテーションが必要なクライアントにリハビリテーションを提供しない地域包括ケア病棟が問題

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理学療法士・作業療法士配置数が少ないためにリハビリテーションが必要なクライアントにリハビリテーションを提供しない病院が問題

令和2年度診療報酬改定で,地域包括ケア病棟へクライアントが入棟した際に,ADLスコアの結果等を参考にリハビリテーションの必要性を判断,患者又はその家族等に説明することが求められることになりました.

現在のところ,ADL評価の方法等については特に明記されておりませんので,ADL評価すればいいんでしょと軽く考えている方も多いと思いますが,実はこのADLスコアの評価に大きな意味があります.

今回は理学療法士・作業療法士配置数が少ないために,地域包括ケア病棟でリハしてない患者が多い病棟は今後淘汰される可能性がある件について考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

診療報酬改定前の中医協の議論

診療報酬改定前の中医協の議論では,地域包括ケア病棟の届け出を出している医療機関の中で,地域包括ケア病棟へ入棟している約30%のクライアントがリハビリを実施していなかったといったデータが公表されております.

また施設ごとにリハビリテーションの実施状況にバラツキがあることも問題視されております.

地域包括ケア病棟というのは回復期リハビリテーション病棟とは異なり,入棟できる疾患は限定されておりませんので,例えば眼科や皮膚科のクライアントなど,そもそもリハビリテーションの必要性が低いクライアントが入棟しているために,リハビリテーションの実施率が低い場合もあると思いますので,この結果は当然だとも考えられます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理学療法士・作業療法士配置数がリハビリテーション実施状況に影響している?

上述したように眼科・皮膚科といったリハビリテーションの必要性の低い診療科のクライアントが入棟している場合には,リハビリテーションの実施率は低くなってしまいますが,実はそういったケース以外にもリハビリテーションの実施率が低い病棟があるようです.

これは地域包括ケア病棟における理学療法士・作業療法士の配置数と関連があります.

地域包括ケア病棟では専従の理学療法士・作業療法士を1名配置することしか要件になってはおりませんが,リハビリテーションを実施する対象者には1日当たり平均2単位以上の疾患別リハビリテーション料を算定する必要があります.

地域包括ケア病棟に配置された理学療法士・作業療法士数が少ない場合には,平均2単位以上の疾患別リハビリテーション料が算定できないので,一般病床ではリハビリテーション料を算定していたにもかかわらず,必要な取得単位数を軽減するために地域包括ケア病棟ではリハビリテーションを提供せずに,病棟看護師に引き継ぐといった運用をされている医療機関も増えてきております.

つまり理学療法士・作業療法士の配置数が少ないがために,本来リハビリテーションが必要なクライアントに適切なリハビリテーションを提供せずに,高い入院料を取得するといった問題が生じているのです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のADL評価の結果が次回の改定に活かされる

上述したように令和2年度診療報酬改定で,地域包括ケア病棟へクライアントが入棟した際に,ADLスコアの結果等を参考にリハビリテーションの必要性を判断,患者又はその家族等に説明することが求められることになりました.

リハビリテーションの必要性については医師が中心となって判断を下すわけですが,そもそもリハビリテーションが必要ないケースというのはどんな場合でしょうか?

 

ADLが全て自立しているような場合.

ADLが全介助レベルで改善が見込まれない場合で.

 

大きく分けるとこんなところだと思います.

つまりADLスコアが著しく高いまたは低い方がリハビリテーションの必要性が低いクライアントと判断されることになると思います.

ADLスコアが著しく高いもしくは著しく低い場合にリハビリテーションの必要性が低いクライアントとして対象から外すというのは理解を得られるかもしれませんが,ADLスコアが中間的なスコアにもかかわらず,リハビリテーションを提供しているクライアントと提供していないクライアントが混在している場合には,リハビリテーションの必要性に関する明確な判断基準がないとこれはまずいですよね.

理学療法士・作業療法士配置数が不足しているから必要なクライアントにリハビリテーションを提供できていない医療機関が多いといった話になると,この部分がテコ入れされることは間違いないでしょうね.

もちろんリハビリテーションの必要性というのはADLスコアだけで決まるものではないと思いますが,今回のADL評価の導入は時期改訂を見据えた調査の1つの気がしてなりません.

次回の改定ではADLスコアに応じてリハビリテーションの実施が義務付けられる可能性もあると思います.

そうなると理学療法士・作業療法士を急に増員する必要があるなどの対応を迫られる医療機関が出てくることも想定されます.

 

今回は理学療法士・作業療法士配置数が少ないために,地域包括ケア病棟でリハしてない患者が多い病棟は今後淘汰される可能性がある件について考えてみました.

地域包括ケア病棟というのは非常に自由度が高い病棟です.

ただリハビリテーション料が包括化されておりますので,理学療法士・作業療法士の配置数が少ないといった医療機関側の都合で,リハビリテーションが必要なクライアントにリハビリテーションが実施されないというのは倫理的にもまずいと思いますし,今後問題視される可能性が高いでしょうね.

痛い目を見ないうちに今のうちからリハビリテーションが必要なクライアントに適切にサービス提供を行える体制作りを2年後までに作っておく必要がありそうですね.

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