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理学療法士・作業療法士の管理者がパソコン業務ばかりやっていると部下に働いていないと言われる件
20年以上前には理学療法士・作業療法士の職場といっても数人規模の職場が多かったと思いますが,最近は回復期リハビリテーション病院をはじめ100人を超える理学療法士・作業療法士が在籍している法人も増えてきております.
理学療法士・作業療法士数が増えれば管理する立場にある理学療法士・作業療法士の仕事も増えそうですが,なかなか管理者の仕事を理解してもらえないといった実情もあると思います.
今回は理学療法士・作業療法士の管理者がパソコン業務ばかりやっていると部下に働いていないと言われる件について考えてみたいと思います.
プレイングマネージャーかパソコンマネージャーか?
理学療法士・作業療法士の管理者の働き方も様々ですが,組織における理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリテーション専門職の人数が30名を超えると管理業務に専念して働くスタイルの理学療法士・作業療法士が多いと思います.
医療保険のリハビリテーションにおいて,1名の理学療法士・作業療法士が稼ぎ出せる収益はおおよそ年間で1,000万円(200点×20単位×20日×12ヶ月)ですから,完全に管理に専念するというのはよっぽど管理に時間を割く必要がない職場では経済的ではありません.
そのため実際にはスタッフ数が多いリハビリテーション部門を除いては,他の理学療法士・作業療法士と同等の仕事をしながら管理業務もこなすといったプレイングマネージャーが多いのが実際だと思います.
中には1日中パソコンの前に座っている理学療法士・作業療法士もいらっしゃるようですが,同じPM(playing managerとpersonal computer manager)でも差は歴然ですね.
理学療法士・作業療法士の管理職は何をやっているのか?
これは病院によって様々だと思いますが,実績をまとめたり,他部門との問題解決を図ったり,会議へ出席したり,勤務表を作成したり,病院長に提出する資料を作成したりと管理業務も様々でしょう.
特に2年の1回の診療報酬改定の時期には,診療報酬改定に合わせて関連書類の整理であったり,リハビリテーション部門の運用の変更であったり仕事が多いのも実際だと思います.
若手理学療法士・作業療法士からよく聞かれる声
若手理学療法士・作業療法士の不満として「自分が1番取得単位が多くて,管理者の理学療法士・作業療法士は自分の半分くらいしか単位を取得していないのに,何で自分の給与がこんなに少ないんだ」といった声がよく聞かれます.
恥ずかしながら若い頃は私自身もそんな考えに陥っていた時代がありますが,でもこれが組織なんですよね.
特に総合病院なんかだと,病院全体から見ればリハビリテーション部門の稼ぎなんてほんの一部分ですし,理学療法士・作業療法士の取得単位数や稼ぎの差なんて大した差ではありません.
おそらく給与の額だって大した差ではないわけですね.
特に病院は個人で稼いだ額より,リハビリテーション部門全体で稼いだ額しか見ませんので,誰がいくら稼いだかなんていうのが給与に反映されることはまずないでしょう.
仮に自分の稼ぎを評価してくれる職場を望まれるのであれば,訪問リハビリテーション分野などの歩合制の勤務先に転職することをお勧めします.
歩合制の勤務先であれば取得単位数がそのまま給与に反映されます.
また起業して独立するというのも手でしょうね.
管理職の理学療法士・作業療法士は部下にどんな業務を行っているかを明確にすることが重要
管理職の理学療法士・作業療法士は部下にどんな業務を行っているかを明確にすることが重要だと思います.
またあの管理職はパソコンの前に座ってクライアント対応もせずに,パソコンばっかいじってるよって思われるくらいであれば,管理職は皆さんのためにこんな仕事をしていますといったところをきちんと開示することが重要です.
さらに時には臨床的に困っている後輩の理学療法に自分の経験を生かした適切なアドバイスをできると,部下からの信頼を得られることは間違いありません.
管理職も理学療法士・作業療法士ですからプレイヤーとして理学療法士・作業療法士としての姿を見せないとおそらく多くの若い理学療法士・作業療法士の不満や愚痴は止まらないでしょうね.
今回は理学療法士・作業療法士の管理者がパソコン業務ばかりやっていると部下に働いていないと言われる件について考えてみました.
この問題は永遠になくならない問題だと思いますが,まずは管理者の理学療法士・作業療法士がどんな仕事をこなしているのかを明確にすることがこの問題を小さくするために重要だと思います.
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