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理学療法士・作業療法士も知っておきたい ネガティブ思考は悪?
理学療法士・作業療法士もまた仕事をする中で,ネガティブな気持ちに陥ることは少なくないと思います.
日本では特にネガティブ=悪といったイメージが強いですが,これって本当でしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士の視点でネガティブ思考が悪なのかどうかを考えてみたいと思います.
そもそもネガティブに善悪はない
一般的に「ポジティブ=良い」「ネガティブ=悪い」というイメージが強いと思います.
特にリハビリテーション専門職である理学療法士・作業療法士は,クライアントに対してポジティブな発想で前向きに支援を行っていく必要があります.
ただ「ネガティブとポジティブ」というのは,「太陽と月」「表と裏」などのように対照的であるというだけで,どちらが良い・悪いというものではありません.
ネガティブがあるからこそ,ポジティブが存在していますし,どちらが欠けても互いに存在することはできないわけです.
確かにネガティブな感情を持ち続けることで,気分が落ち込むだけでなく身体面にも影響が出ますので,ネガティブな状態を脱したいと思うのも無理はありません.
しかしながら,意識の構造上「何で自分はこんなにネガティブなんだ」といった気持ちをもてば持つほど,そこに考えが集中しますので,ますますネガティブになってしまいます.
何に対してもすぐネガティブになってしまうし,自分なんて理学療法士・作業療法士に向いていない,辞めた方が良いといったようなネガティブの積み重ねは非常に危険です.
ネガティブそのものには善悪はないわけですが,理学療法士・作業療法士が「ネガティブに陥る自分自身」を否定するところまでいくと,悪影響が出てしまいます.
ネガティブは思考の「クセ」と認識せよ
ネガティブ思考は,単純に「思考のクセ」が原因であることも多いです.
そのため訓練次第で改善することができます.
クライアントにも疼痛や自分の機能低下に関してネガティブな発言を繰り返す方っておられますよね.
これって性格というか思考のクセなのです.
ネガティブに陥るのには何かしらの原因があり,実はネガティブ思考にも利点があります.
例えばネガティブであり続けることで「新しい挑戦はしないが現状維持ができる」という利点があります.
一見デメリットのようにも思えますが,新たな挑戦をするとより不安になってしまうので,安全な領域の中にとどまろうとする機能が働くわけです.
つまりネガティブ思考というのは自分自身を危険から守る役割を果たしているわけです.
ポジティブすぎて失敗ばかりしている理学療法士・作業療法士も多くいますよね…
こう考えるとネガティブ思考というのは一概に悪いものではないと考えられます.
今回は理学療法士・作業療法士の視点でネガティブ思考が悪なのかどうかを考えてみました.
まずはネガティブ思考は良いものでも悪いものでもなく,思考のクセであると考え,ネガティブ思考を受け入れることからスタートすることが重要です.
ネガティブな状態がイヤだという場合には,無理にポジティブになろうとするのではなく,まずは「ネガティブな自分自身を否定しないこと」から始めてみるとよいと思います.
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