認定理学療法士症例報告レポート記載例 運動器

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認定理学療法士症例報告レポート記載例 運動器

このブログの中でも数回に分けて取り上げさせていただきましたが,2022年以降,日本理学療法士協会の認定理学療法士制度は大きく変わることが明らかにされております.

そのため昨年度もものすごい数の認定理学療法士受験者数となりました.

今年度もまたかなりの数の理学療法士が認定理学療法士取得に向け,試験を受けることが予測されます.

認定理学療法士取得に当たっては,ポイント・症例報告レポート・認定試験といった3つのハードルをクリアする必要があります.

症例報告レポートに関してはどういった形式で記述すべきかといったご質問をいただきますが,具体例のようなものも出されていないのが現状です.

今回は認定理学療法士(運動器)症例報告レポートの記載例をご紹介させていただきます.

 

 

 

 

 

 

症例報告を記載する前に審査指標項目を把握しよう

症例報告の審査に関しては審査指標項目というのが決められております.

認定理学療法士(運動器)に関しては,以下の5つのポイントが審査指標項目となっております.

闇雲に記載するのではなく,まずはこの審査指標項目を把握することが重要です.

 

1.事例・症例の疾患もしくは状況課題が申請認定領域として適切に選択されているか,および事例・症例紹介・経過・(現)病歴が的確かつ明確に述べられている

まずは当然ですが,運動器疾患を対象としているかといったところです.

運動器疾患であれば急性外傷であっても慢性疾患であっても特に問題はありませんが,状況課題が運動器に関連したものであるといった点も重要です.

変形性膝関節症を合併していても,肺炎治療を行っている症例であれば状況課題は運動器の認定領域としては適当でないと言えるでしょう.

 

 

 

 

 

2.評価および問題点が的確かつ明確に述べられているか

評価結果をもとに問題点を抽出できているかどうかがポイントとなります.

評価結果は客観的である必要がありますので,できるだけ数値で表せるような尺度を用いて評価を行うことが重要です.

具体的には疾病や手術と機能低下,あるいは機能低下と能力低下を関連付けた上で問題点を抽出することが重要となります.

 

 

 

 

 

3.介入内容が十分に的確であり明確に述べられているか

評価から導き出された問題点に対してどういった介入を行ったのかを具体的に記載します.

この介入内容が評価から導き出した問題点とかけ離れたものであれば審査は低い点数となってしまうでしょう.

介入ありきではなく評価ありきでどういった介入を行ったかを記載することが重要です.

 

 

 

 

 

4.結果・成果が客観的かつ的確であり,明確に述べられているか

評価結果は客観的である必要がありますので,できるだけ数値で表せるような尺度を用いて評価を行うことが重要です.

 

 

 

 

 

5.考察において論理的であり明確に述べられているか

具体的には疾病や手術と機能低下,あるいは機能低下と能力低下を関連付けた上で問題点を抽出した流れ,そして問題点に介入を行ったことでどのような結果・成果が得られたかを論理的に記述します.

ここで日々の臨床の中で頭の中で行っているクリニカルリーズニングを言語化することが重要となります.

 

 

認定理学療法士 事例・症例報告サマリー用紙 不適切な記入の例

こんなのはNGですので,気をつけましょう.

 

  • 字数が不足している,または字数が多すぎる(1 症例につき全体の文字数は 1,000~1,200 程度)
  • 書式が古い(HP に掲載の最新の書式で作成してください)
  • 客観的評価項目や数値が不十分である(検査結果に単位が記載されていることが望ましい)
  • 開始時所見や終了時(報告時)所見の理学所見が不十分
  • 考察について内容が経過報告になっていて,考察になっていない

 

 

 

 

 

認定理学療法士症例報告レポート記載例 運動器

診断名・障害名:右足関節脱臼骨折(骨接合術後)

年齢:60代前半

性別:男性

区分:入院

 

病歴

○年○月初旬,屋根の修理中に約2mの脚立から滑り転落受傷となる.

X線にて右足関節脱臼骨折(三果骨折,Lauge-Hansen分類:PER-stageⅣ)を認め,第1病日に骨接合術(内果・後果をcannulated screwにて固定,腓骨はSYNTHES metaphysical plate 8holesにて固定)施行となった.

 

 

 

 

評価

術後2週で抜鈎となり○○病棟へ転棟,担当理学療法士の介入開始となった.

術後4週~1/3PWB,術後5週~2/3PWB,術後6週~FWBが許可された.

術後6週の段階での関節可動域は背屈/底屈:15°/35°,筋力は背屈/底屈:4/2+であった.背屈最終域では距腿関節前面の疼痛訴えが強く,歩行時(1本杖)には内果後下方・足底内側面に疼痛訴えがあった.

また歩行時の右下肢のアライメントはknee-in・toe-out傾向にあり,右足部が過度に回内しそれに伴い下腿も内捻していた.

自動背屈運動時には右長母趾伸筋の筋緊張亢進が顕著であった.

 

 

 

 

 

問題点

#1.荷重時の疼痛(右足関節内果後方・足底内側)

#2.足関節背屈可動域制限

#3.足関節周囲筋筋力低下

#4.右長母趾伸筋筋緊張亢進

#5.歩行能力低下(free hand gait困難)

#6.日常生活動作能力低下(しゃがみ込み動作困難,階段交互降段困難)

 

 

 

 

 

介入内容

program1.足底挿板作成(Medial Heel Wedge・アーチパッドに加えてカウンターとしてLateral Heel Wedgeを挿入)

program2.関節可動域運動(距腿関節のモビライゼーション,足関節背屈他動運動)

program3.筋力強化運動(足関節周囲筋,足内在筋)

program4.歩行・しゃがみ込み・階段降段動作練習

 

 

 

 

 

介入結果

術後9週にはFWBでの歩行練習開始後に見られた内果後下方および足底内側面の疼痛は軽減され,安定して歩行補助具非使用で移動することが可能となった.

背屈可動域25°,底屈筋力4レベルと機能面でも明らかな改善が見られた.平地歩行時には荷重痛の訴えはほぼ消失したものの坂道の下り時に右足根洞周囲の疼痛が残存した.

 

 

 

 

 

考察

本症例の術後6週における問題点は距腿関節の運動性低下による後方滑りの減少,それに伴う足関節背屈可動域制限であると考えられた.

加えて長母趾伸筋の筋緊張亢進により距骨が前方へ偏位しておりこれが背屈可動域制限の原因となっているものと思われた.

歩行時には足関節背屈可動域制限を代償するように足部が過度に回内し,それに伴い下腿が内捻しknee inが出現していた.

その結果内果後下方への力学的ストレスが生じ,さらには足底腱膜が過度に伸張されるために内果後下方・足底内側に荷重時痛が生じていると推論した.

これらの問題点の解決に向け背屈可動域制限を図るとともに足部の回内,内側縦アーチ低下に対し足底挿板を挿入するとともに,内反・外反筋群の筋力強化運動を実施した結果,内果後下方・足底内側の疼痛は消失し歩行補助具非使用での歩行が安定して可能となった.

距骨の後方滑り運動を主体とした距腿関節のモビライゼーションによる背屈可動域の改善と,足底挿板挿入による足部の過回内の防止が荷重痛の軽減につながったのではないかと考える.

しかしながら退院時(術後9週)には坂道下り時の足根洞の荷重時痛が残存した.

坂道下り時には足関節が底屈位となるため距腿関節が側方へ不安定となり足根洞の疼痛が出現しているものと考えられた.

よって底屈位での側方不安定性を改善することを目的にホームエクササイズとして内反・外反筋群の筋力強化運動を主体とした運動プログラムの継続を指導した.

 

 

今回は認定理学療法士(運動器)症例報告レポートの例をご紹介させていただきました.

私なりに仮想症例で記載してみたものの不十分なところもあると思います.

あくまで1つの参考にしていただけると嬉しいです.

 

その他にも認定理学療法士に関する記事をまとめておりますので是非参考にしていただければと思います.

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