理学療法士の視点でスクワットを考える

運動療法・物理療法
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 理学療法士の視点でスクワットを考える 

ブリッジ運動やSLR運動は背臥位で行う運動として古くから筋力トレーニングとして用いられてきたわけですが,立位で用いられる代表的な筋力トレーニングといえば,スクワットが挙げられます.

スクワットも方法によって得られる効果はさまざまですので,目的を考えた上でトレーニングの方法を工夫する必要があります.

今回は理学療法士の視点でスクワットについて考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 両脚で行うか?片脚で行うか? 

スクワットは両脚で行う両脚スクワットと片脚で行う片脚スクワットに分類できます.

股関節周囲筋は,両脚スクワットでは5%程度の低い筋活動となりますが,片脚スクワットでは股関節外転筋・伸展筋の筋活動は20~30%まで増加します.

一方で股関節内転筋は,片脚スクワットでも10%以下の低い筋活動のままです.

大腿四頭筋の筋活動は両脚 (60°屈曲位)で30%であり,片脚にすることによって50%まで筋活動が増加します.

ハムストリングスは片脚でも10%以下の低い筋活動となります.

 

 

 

 

 膝関節の屈曲角度はどうするか? 

スクワットで最も考慮する必要があるのは,膝関節屈曲角度の影響です.

両脚スクワット時の膝関節周囲筋の筋活動を見ていくと,膝関節屈曲角度が大きいほうが大腿四頭筋の筋活動は増加しますが,ハムストリングスの筋活動には大きな変化はありません

股関節周囲筋では片脚スクワットにおいて膝関節屈曲角度の増加に伴って,大殿筋の筋活動が増加するものの,中殿筋・股関節内転筋,大腿筋膜張筋,ハムストリングスの筋活動には角度変化に伴う筋活動の増加は見られません.

 

 

 

 

 膝関節屈伸速度の影響 

スクワットを考える上では膝関節の屈伸速度の影響も重要となります.

膝関節屈伸速度が速くなるにつれて大殿筋・中殿筋,ハムストリングスの筋活動は高くなりますが,大腿筋膜張筋では膝関節屈伸速度による変化がみられず,スクワット動作の速度を速くしてもトレーニング効果は上がりません.

気になる大腿四頭筋ですが,動作速度が遅いと膝関節を伸展する短縮性収縮時に筋活動が高くなり,速度を速くすることにより膝関節を屈曲する伸張性収縮時に筋活動が高くなります.

 

 

 

 

 足圧中心の位置による影響 

スクワットにおける筋活動は足圧中心位置によっても変化します.

足圧中心位置が前方(前方荷重)および後方(後方荷重)にしてスクワッ動作を行ったときの下肢筋の筋活動をみてみると,大腿四頭筋では後方荷重位でスクワットを行うことによって筋活動は増加します.

一方で腓腹筋やヒラメ筋では前方荷重位でスクワットを行うことで筋活動が増加します.

単関節筋の筋活動量が著明に増加しており,姿勢制御においては単関節筋が重要であると考えられます.

 

 

 

 

 体幹の前傾角度の影響 

体幹の傾斜角度を変化させてもスクワット時の筋活動は変化します.

体幹前傾時には体幹前傾(骨盤前傾)を制御するために,大殿筋・半腱様筋の筋活動が増加しますが,トレーニング効果(筋力,持久力)が得られるとされる筋活動量には達しません.

 

 

 

 

 股関節内転方向の収縮 

スクワットの際に両膝にボールを挟んでスクワットを行うことは多いと思います.

スクワットに股関節内転筋の等尺性収縮を加えることによって,膝関節周囲筋の筋活動は増加することが明らかにされております.

ただ重要なのは膝関節軽度屈曲位でのみ筋活動は増加し,60°屈曲位では増加しないといった点です.

したがって膝関節周囲筋の筋活動を増加させる目的で両膝にボールを挟んでスクワットを行う場合には,膝関節軽度屈曲位でトレーニングを行うことが重要となります.

 

今回は理学療法士の視点でスクワットについて考えてみました.

膝関節の屈曲角度や足圧中心の位置,体幹前傾角度などちょっとした要因で筋活動が変わりますので,どこを特に強化したいのかを考えた上で,スクワットの方法を指導する必要がありますね.

 

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