理学療法士・作業療法士のための日常会話 お願いする時に使える語彙集

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PT・OTのための日常会話 お願いする時に使える語彙集

今回も前回に続いて日常会話で使用することの多い語彙力に関して考えてみたいと思います.

理学療法士・作業療法士が病棟のスタッフやクライアントに依頼することってけっこうあると思います.

同じ依頼をするにあたっても,表現を誤ると依頼を受けてもらえないこともあります.

敬語を使用するのは当然ですが,合わせて適切な表現を選択することが重要となります.

そこで今回は他者へお願いをする時に使える表現に関して,いくつかこう修正すると社会人らしくなりますよといったものをご紹介したいと思います.

 

 

 

お願いして申し訳ございません⇒お使い立てして申し訳ございません 

理学療法士・作業療法士に限ったことではありませんが,仕事では自分一人で何もかもこなせるわけではなく,人の手を借りることも多々あるでしょう.

人に何か用事を依頼する時には,「お願いして申し訳ございません」ではなく,恐縮や感謝の気持ちを込めて「お忙しいところお使い立てしてすみません」などと依頼するのが適切です.

ただし目上の人に対して,「お使い立てして」というのは失礼にあたりますので,「お手を煩わせて申し訳ございません」が適切です.

「手を煩わす」には手伝ってもらって人に面倒をかけるという意味があります.

 

 

 

何度もすみません⇒立て続けに申し訳ございません

何度も同じお願いをして恐縮しているときには「立て続けにお願いして申し訳ありません」などと言います.

「立て続け」は短時間に連続して似たようなことが行なわれることです.

「立て続け」同様,何度も繰り返される様子を表す場合に使用されます.

「度々で恐縮ですがもう一度申し込みの手順をおしえていただけますか」などと言います.

 

 

 

暇な時にお願いします→お手すきの時にお願いします

自分の作成した学会発表抄録を作成して上司に見てもらいたいときなんかに,「暇な時にお願いします」なんてお願いしては失礼です.

誰もが忙しくしている昨今,お願いをする時には相手の時間への気遣いもしたいものです.

そこで特に急ぎではない場合には,「お手すきのときに手伝ってください」などと伝えます.

「手隙」は,仕事が切れて暇になること手が空いていることを表します.

他には「ご都合のよいとき」,「お時間がございます際に」なども使えます.

「暇な時にお願いします」では,「そんな暇はない!」と一蹴されてしまうかもしれません.

 

 

 

 

どうぞよろしくお願い申し上げます⇒何卒よろしくお願い申し上げます

「どうぞよろしくお願いします」はよく使う表現です.

これでも間違いではありませんが,より真剣に「お願いしたい」という気持ちを伝えたい時には,「どうぞ」の代わりに「何卒」を使って,「何卒よろしくお願いします」という表現します.

二重敬語ではありますが,現在一般的に用いられる表現です.

「何卒」は手段を尽くそうとする意志を表し,[どうか○○してください」という強い懇願の気持ちが伝わります。

「切にお願いいたします」,「ぜひともお願いいたします」といった表現もよく使用されます.

 

 

 

 

手伝ってください⇒手をお貸しください,お力添えください

人に助けや配慮を求めたいときには「お願いします」と言いますが,「お願いします」ばかりだと,ボキャブラリーの乏しい人だと思われてしまいます.

お願いする物事によって,言い換えたいこともあるでしょう.

仕事などで上司や同僚の助けがほしいときの表現としては,「お力をお貸しください」といった表現が適切です.

相手の力を借りたい時に,「助けてください」「手伝ってください」だと,少し命令口調にも聞こえます.

「お借りしたい」「お貸しください」と言うことで,相手を立ててお願いするフレーズとなります.

一方で手伝ってもらうときには「手をお貸しください」です.

ここでの「手」には労力という意味があります.

その他にも「お骨折りいただけますでしょうか」といった表現もあります.

さらに「後ろ盾になっていただきたく」といった表現もあります.

ある程度の地位にある人に,後ろから援助をお願いするとき「後ろ盾になっていただきたく」などと使います。

 

 

 

知っておいてください⇒お含みおきください

相手にここは知っておいてほしいということ,たとえば事前に伝えたスケジュールが必ずしもその通りにならなかったり,物事を進めるにあたって条件がついていることなど,トラブルをなくすためにあらかじめ相手に知っておいてほしいことがあります.

その場合,「知っておいてください」「ご承知おきください」だと,一方的に命令されているようにも聞こえ,目上の人やクライアントなどには使えません.

そこで「お含みおきください」というフレーズが有用です.

「含む」は思いや感情などを心に持つことであり,命令や意志などを守ろうとして心に留めるという意味があります.

したがって「お含みおきください」で「心に留めておいてくださいと相手にお願いす表現になります.

 

 

 

見ておいてください⇒お目通しのほどよろしくお願いいたします

仕事で上司や取引先に書類などをチェックしてほしいとき,シンプルに「ご一読ください」と言うのもいいですが,「お手すきの折にお目通しのほどお願いします」などの丁寧な表現を覚えておくと印象がよくなります.

「目通し」は文字通り目を通すこと,つまり一通り見ることです.

よりかしこまった表現としては「ご高覧ください」といった表現もあります.

他にも「ご査収ください」といった表現も良く使用されます.

「査収」は金額・品物・書類などをよく調べて受け取ることを意味します.

「確認の上お受け取りください」といった意味合いで使われる表現です.

 

 

 

ぜひ出席ください⇒ご臨席いただきますようお願い申し上げます

学会や結婚式など改まった式典などへの招待状では,「ご出席ください」ではなく「ご臨席いただきますよう」「ご列席賜りますよう」と表記します.

他にも,「万障お繰り合わせの上,ご臨席賜りますよう」といった表現もよく用いられます.

「万障」はいろいろな差し障りや差し支えを意味し,繰り合わせは時間などをやりくりして都合をつけることですから,「万障お繰り合わせ」で出席を強く願う気持ちを伝えます.

 

 

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