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理学療法士・作業療法士の視点で元号変更・消費税増税を考える
あと数週間で2018年も終わってしまいますね.
2019年といえば元号の変更と,10月に行われる消費税の10%への引き上げがニュースでも多く取り上げられております.
今回はこの元号の変更と消費税増税について理学療法士の視点で考えてみたいと思います.
元号の変更が理学療法士・作業療法士に与える影響
単純に思いつくのは書類関係の元号です.
「平成●年」とか「H●年」といった記載に慣れきっておりますので,新元号での記録になれるまでにしばらく時間がかかりそうですね.
電子カルテや部門システムなんかもアップデートが必要になるでしょうし,OSシステムやOfficeなんかもアップデートが必要になるでしょう.
書類関係については,しばらくは「平成●年」とか「H●年」といった和暦での表記ではなく,西暦での表記を意識的に用いた方が間違いが無さそうですね.
そもそも記録なんかは西暦で行うのが正しいみたいですが…
消費税の10%への引き上げ
皆様もご存知の通り,2019年10月に消費税の10%への引き上げが実施される見込みです.
消費者の立場からすればこの消費増税に関して,否定的な意見を持つ方も少なくないと思いますが,医療・介護領域で勤務する理学療法士・作業療法士の視点で考えると,今回の増税は社会福祉の財源への活用が期待されるだけに,待ちに待った増税といった見方もできると思います.
この増税部分を医療・介護領域にどのように財源を投入するべきか,増収分の使途については,かねてよりリハビリテーション専門職3団体からも要望を出しているわけですが,リハビリテーションへの評価をもう少し上げてほしいところです.
現在のところ医療費全体のうち,リハビリテーションが占める割合は5.4%にすぎないわけですが,これを10%程度まで引き上げることを要望しております.

介護職については,先日の記事でもご紹介いたしましたが,勤続10年の介護福祉士に8万円相当の処遇改善がなされることが決定いたしました.
介護職に関してはこのように人材不足の解消のために政策が実行されるわけですが,医療職の給与も全体的に安いわけです.
理学療法士による医療施設の収益については以前の記事でもご紹介させていただきました.

かつては1年間で平均1,300万円程度あったわけですが,今はせいぜい900万円ぐらいです.
介護福祉施設における理学療法士・作業療法士の収益はさらに深刻で,理学療法士・作業療法士の収益は700万円強でしょう.
そうなると給与は300万円,50歳を過ぎてもせいぜい400万円程度となります.
理学療法士・作業療法士というのは白衣を着ていると一般の方からは裕福そうに見えるようですが,ワーキングプアと言ってもいいくらいだと思います.
給与は勤め先にもよりますが,先に挙げたようなケースでは結婚しにくいし,50代で子どもが2人いても大学へ行かせたいと言えるような給与所得ではありません.
介護職の人材難,待遇改善だけが課題として注目されていますが,その余波が医療に押し寄せてくることも危惧されます.
増税をきっかけに医療全体の人件費のバランスにぜひ着目してもらいたいところです.
リハビリテーション専門職の待遇は悪化している?
かつてはリハバブルと呼ばれるような時代もあったわけですが,リハビリテーション専門職の待遇は他の医療職と比べても悪化しております.
この10年間で医師の給与は3%程度,看護師の賃金は5%上昇していますが,リハ職は逆に3%下がっているのです.
もちろん平均年齢の違いなどもあるわけですが…
何が重要か,話は簡単です.
まずは国政にリハビリテーション専門職を送り込むことです.
1人政治家が出ても何も変わらないなどと主張される方もおられますが,いないよりもマシだというのは誰もが共感いただけるところだと思います.

さらに過去の経緯で言えば,かつて診療報酬が上がっても現場のリハ職の給料が上がったことはないのです.
逆に診療報酬が下がった時にリハ職が減給されたという実績はいくらでもあるわけです.
「リハバブル」と呼ばれた時期に採用されたリハ職は非常に高給でしたが,ここ10年ぐらいは維持できなくなって減給やリストラや行われている状況です.
結果を十分に残してこなかった,政治活動に十分に取り組んでいなかったつけが回ってきたと言えばそれまでですが,増税を機に増税をきっかけにリハ職の処遇も改善されることを切に願っております.
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