処遇改善加算によってPT・OTの給与は上がるのか?第163 回介護給付費分科会(平成30年10 月31日)

働き方
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皆様もご存知の通り,政府は年間約1,000億円の財源を投入し,2019年10月より勤続10年以上の介護福祉士に対して「月額8万円相当」の賃上げを行うことが発表されております.

 

介護保険領域の職場では,このニュースに関してさまざまなうわさが流れております.

 

今回は平成30年10 月31日に開催された第163 回介護給付費分科会の結果を踏まえて考えてみたいと思います.

 

 

 

目次

 介護人材の処遇改善について 理学療法士・作業療法士は? 

今回の分科会では,処遇改善加算に関して,まず①経験・技能のある介護職員,②他の介護職員,③その他の職種の順に一定の傾斜を設定することといった案が示されました.

 

つまり今回の処遇改善で優遇されるのは,まずは当初掲げられていたように10年以上の経験を有する介護福祉士の処遇改善が第1優先であると考えられます.

 

次に他の介護職員と挙げられておりますので,ここには経験が10年未満の介護福祉士や介護福祉士の資格を持たないヘルパーなんかが含まれると考えられます.

 

施設で勤務する理学療法士・作業療法士はこのその他の職種といったところに含まれると思います.

 

実際には提供サービス毎に加算率の設定が定められることや介護職員以外の職種にも処遇改善を行うことが引き続き検討されることが明示されておりますので,今後もこの議論には注目しておく必要があると思います.

 

前回,処遇改善が図られた時には,施設の機能訓練指導員の理学療法士・作業療法士は一時金をもらって終わりといったパターンが多かったですよね.

 

ちなみに介護支援専門員の処遇については居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)は処遇改善の対象とならないことは前回の記事でご紹介いたしました.

 

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今のところ「施設ケアマネ」についてはまだ「更なる処遇改善」の対象となる可能性が残されております.

 

 

 

 金銭面だけでなく教育体制や職場環境整備も評価する方向性 

また今回の分科会では一定のキャリアパスや研修体制の整備の努力をしている事業所を処遇改善加算の取得要件とすることといった案が示されており,各事業所における教育体制等も評価されることとなっております.

 

さらに今回の分科会では離職防止を考える上では,金銭面のみならず職場環境の整備も重要であるとの考えから,処遇改善加算の取得可能事業所には,職場環境を整備している事業所を対象とするといった要件の必要性についても言及されました.

 

特に介護保険領域の施設では理学療法士・作業療法士が管理者として勤務していることも少なくないと思いますので,マネジメントの役割を担っている管理者としてもこのあたりの動向に今後注目しておく必要がありそうですね.

ただ支払い先は事業所であり,用途は問わないとされておりますので,経営者が懐に入れてもお咎めはないわけです.きちんと職員に還元される職場が多いことを期待します.

 

 

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