認定・専門理学療法士の更新要件が易しすぎる?

投稿者: | 2018年10月5日

日本理学療法士協会が定める認定理学療法士・専門理学療法士制度ですが,5年に1度の更新が必要になっております.今回はこの更新の条件について考えてみたいと思います.

 

 

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 資格更新の必要性 

理学療法士・作業療法士に関連する資格については以前の記事でもご紹介いたしましたが,数年間に1度更新を必要とする資格というのは少なくありません.

例えば呼吸療法認定士,心臓リハビリテーション指導士,介護支援専門員等が更新が必要な代表的な資格として挙げられます.これらの資格に関しては制度上,数年に1度の更新が必要なのです.

日本理学療法士の認定・専門理学療法士制度についても,5年に1度の更新が定められております.

そもそも日本では,国家資格である理学療法士・作業療法士については,制度上は更新の要件というのは設けられておりませんので,そういった意味から考えるとこういった民間資格の更新制度というのは生涯学習を考える上では素晴らしい制度だなと思えるわけですが,資格取得にかかる労力から考えると,いずれの資格も比較的更新のために必要な要件を緩和してある資格が多い状況です(介護支援専門員等は丸一日の研修を計8日間受講する必要がありますので,時間的な制約は大きいですが基本的には試験等はありません).

 

 

 

 

 

 

 認定理学療法士・専門理学療法士の取得 

認定理学療法士の取得には領域に関連する200ポイントを取得するとともに,領域別の必須研修会,共通の必須研修会に参加し,症例レポート10件を提出した上で,認定理学療法士試験に合格する必要があります.

領域別の必須研修会というのは年間の開催回数も少なく,試験についても会場が遠方であると,資格取得における旅費等の費用もそれなりにかさみます.

 

 

専門理学療法士の取得については以前の記事でもご紹介いたしましたが,560ポイントの取得が必要です.加えて筆頭で1本以上の原著論文が雑誌に掲載されることも条件となっており,資格取得におけるハードルは非常に高いものとなっております.

現状でも,新制度になってから臨床で勤務する理学療法士の中で専門理学療法士を新たに取得した理学療法士というのは非常に少ない状況となっております.

このように資格取得においては比較的高いハードルが設定されているわけです.

 

 

 

 

 

 

 

 認定理学療法士・専門理学療法士の更新 

認定理学療法士については5年間で領域に関連する160ポイントの生涯学習ポイントを取得すれば資格の更新が可能です(2017年までは80ポイントでしたが2018年から160ポイントになりました).

160ポイントというと多く聞こえるかもしれませんが,年間にすると32ポイントですので,臨床実習指導(長期)を1回と,年に研修会に2回参加すれば簡単に更新が可能なわけです.

専門理学療法士についても5年間で160ポイント(80ポイントは学術ポイント)を取得すれば更新が可能ですので,年間32ポイントを取得すれば更新が可能です.

これについても一見ハードルが高く見えるかもしれませんが,6週間以上の臨床実習指導を年に1回,学会へ年に1~2回参加すれば十分に32ポイントの取得が可能ですので,あまりハードルは高くないと考えることができるでしょう.

ちなみに学術ポイントというのは学会参加以外にも,論文投稿,学会発表,論文・学会演題の査読等が含まれますが,専門理学療法士を取得していれば学会演題の査読というのは頻繁に依頼があります.

加えてここ数年で分科学会の開催も増えておりますので,演題査読を行えば年間で10ポイント以上学術ポイントを得ることができたりします.

こう考えますとポイントというのは振り返ってみるといつの間にか多く貯まっているというわけです.

したがって認定・専門理学療法士いずれも更新に要する要件というのは比較的簡単なもので一度取得してしまえばほぼほぼ更新が可能な資格であると考えてよいでしょう.

今後は生涯学習制度も改訂が予定されておりますので,この更新要件についてもメスが入れられる可能性もありますが…

 

 

今回は認定・専門理学療法士制度の更新要件について考えてみました.

これらの取得には非常に大きなハードルが課せられている一方で,更新に関しては比較的簡単に可能な資格となっております.

そもそも生涯学習を考える上では国家資格も更新制度にするべきだといった声は以前から多くありますが,日本ではなじまないようですね.

そういった背景の中で日本理学療法士協会の認定・専門理学療法士制度は,更新制度が設けられておりますので,非常に低いハードルではありますが生涯学習を考える上では自らを学習する環境におくための良い資格なのではないかと思います.

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