高齢者は増えないのに理学療法士が増える時代

働き方
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高齢者は増えないのに理学療法士が増える時代

皆さんはご存知でしょうか?高齢者は増えないのに理学療法士が増える時代に突入していることを…これが何を意味するかというと非常に単純です.

理学療法の主な対象が高齢者ですから,このままですと単純に仕事がなくなってしまうことになります.

事実,一部の都道府県では地元への就職を希望する学生の就職先が無く,県外就職を余儀なくされるといった学生も出てきている状況です.

日本理学療法士協会もこういった状況をふまえ,職域拡大のためにいろいろと手をうっておりますが,理学療法士養成数にこの職域拡大が追いつくかどうかすら怪しいところです.

今回は高齢者は増えないのに理学療法士が生き残るためにはどういった視点で仕事をすればよいかを考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

よくある臨床実習の風景

臨床実習生に何で理学療法士になりたいと思ったのですかと質問すると,「これからまだまだ高齢者も増えるし需要があると思ってなりました」といった回答する実習生は少なくありません.

また両親に「今後ますます高齢者が増えるからリハビリの仕事は安泰」と親に勧められて理学療法士になろうと思いましたなんて回答する実習生もいます.

さらに実習中のクライアントとのやり取りの中でも,「今後ますます高齢者は増えるし良い職業を選んだね」なんて声をかけられています.

実習生のあまりの無知に私は事実を伝えた方が良いのだろうかと悩んだりしますが,最近は事実を伝えるようにしてます.

 

 

 

 

 

 

 

 

高齢者は今後増えないの?

結論から申し上げますと65歳以上の高齢者数は2025年には3,657万人まで増加しますが,2042年にはピークを迎える予測(3,878万人)となっております.

理学療法の対象となることの多い大腿骨近位部骨折の疫学調査でも2043年が大腿骨近位部骨折数増加のピークと予測されております.

グラフを見ても2040年あたりを境に高齢者合計が減少し始めていることがわかります.

今年4年制の養成校に現役で入学した学生が理学療法士になって20年目を迎えた頃には高齢者数は減少し始める計算になります.

あと24年で高齢者が減少する時代に突入するわけですから,仮に60歳を定年で考えますと,今現在36歳以下の方はこの高齢者減少時代を生き抜かないといけない理学療法士という計算になります.

ちなみにこのデータは全国的な高齢者数を見たものですので,高齢化が進んだ都道府県では既に高齢者人口が減少し始めている市町すらある状況だと思います.

 

 

 

 

 

 

理学療法士は今後減らないの?

高齢者が増えないのであれば理学療法士は今後減らないのかと考える方もおられると思いますが,現在の養成校の数や養成校の定員がそのままであれば年間1万3000人ペースで理学療法士は増加していきます.

新カリキュラムになって3年制の養成校は時間的にも養成が難しくなりつつありますが,現在のところ理学療法士養成校を減少させるような手立ては打たれておりませんので,単純計算で10年後には今の約2倍に理学療法士が増えている計算になります.

高齢者数がそのままだとしても仕事が半分になる計算です.

恐ろしい事態です.

 

 

 

 

 

 

 

どうやったら生き残れるの?

一番はたくさんいる同世代の中で出世レースを勝ち抜かなければ,組織の中で生き残るのは難しいかもしれません.

私が重要だと思うのは,組織の中で誰にも負けないスキルを持っているかという部分が大事だと思います.

例えばコンピューターが得意で組織のITの管理ができるとか,徒手的な技術指導に長け後輩指導ができるとか,そういった得意分野があれば組織としても雇用しておきたいと考えるわけです.

こういった視点で考えると,クライアントにとってどうかといった視点も重要ですが,組織の中で自身がどういった面で役に立つのかといった視点で仕事をすることも今後は重要になってくると思います.

 

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