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なぜ理学療法士・作業療法士がクライアントから物をもらってはいけないのか?
理学療法士・作業療法士であれば誰しもが経験があるのが,クライアントからお礼にと物を渡されるケースです.
お菓子なんかが多いですが,場合によっては野菜とか,お金なんてこともありますね.
これってけっこう困りますよね.
トラブルになることも多いですし,もらわないのにこしたことはありません.
今回はなぜなぜ理学療法士・作業療法士がクライアントから物をもらってはいけないのかについて考えてみたいと思います.
ほとんどの病院・施設ではお断り
時代も時代ですから最近はクライアントからのお心遣いを完全にお断りするといったルールで運用している病院や施設が増えていると思います.
ただ断るのってかなり勇気もエネルギーも必要ですよね.
心遣いを断ることで逆にクライアントとの関係性が崩れてしまうなんてこともあります.
理由①気を使わせないため
理学療法士・作業療法士がクライアントからのお心遣いを簡単に受け取ってしまうとどんな問題が起こるでしょうか?
まずはクライアントは何かしら病気を患って入院しているわけですから,身体的にも精神的にもダメージがあります.
もう1つ考えるべきなのは入院費ってけっこう高額です.
つまりクライアントは身体的・精神的なダメージを抱えているだけでなく,経済的にも大きなダメージを抱えていることが多いです.
そんな経済的にダメージを抱えているクライアントに余計な気を遣わせてしまうというのはやっぱりよくありませんよね.
病棟の掲示板やリハビリテーション室の掲示板には「お心遣いは受け取らない」といった文言を大きく掲示しておくと,クライアントも気を遣わなくて済むでしょう.
理由②他のクライアントとのトラブル回避
例えば理学療法士・作業療法士が物を渡されている場面を他のクライアントが見ていたらどう感じるでしょうか?
自分も贈り物をしないといけないのではないかと感じてしまうかもしれません.
場合によっては贈り物をした方が良い治療を受けられるのかもしれないと考えるかもしれません.
贈り物をしたクライアントだけリハビリ時間が長いなんてクレームにつながることもあり得ます.
こう考えるとクライアント間でのトラブルを回避するためにもクライアントから物を安易にいただくのはよくありません.
理由③倫理観に反する
医療倫理の観点から考えるとそもそもクライアントから物品を受け取ることは医療倫理に反してしまうことになります.
既にリハビリテーション料としてリハビリテーションサービスに対する対価をいただいているわけですから,+αで物品をいただくのは問題があります.
無加害・公平・正義の点から倫理観に反することになります.
お金のかからない贈り物は?
お金のかからない贈り物だったらもちろん受け取るのはOKです.
お手紙なんかもらうと嬉しいですよね.
私の経験だと折り紙とか通所施設で作成した作品なんかも嬉しいです.
リハビリテーション室をあかるくしてくれますからね.
今回はなぜなぜ理学療法士・作業療法士がクライアントから物をもらってはいけないのかについて考えてみたいと思いました.
クライアントの好意を断るのってけっこう勇気が必要ですし,大変だと思います.
ただもらってしまうことがトラブルになることも多いです.
理学療法士・作業療法士の皆様も気を付けてください.