目次
リハビリテーション実施計画書に作業療法士が無断代筆
2022年度の診療報酬改定でリハビリテーション実施計画書の運用が厳格化されました.
10月から新制度に合わせて運用されている病院が多いと思いますが,早速無断代筆が取り上げられてしまっております.
今回は注意喚起のためにリハビリテーション実施計画書の無断代筆の問題についてご紹介させていただきます.
記事によると(Yahooニュースより抜粋)
病院は経緯を調査中で、今後、患者に説明と謝罪をするとしている。
病院は代筆について認め、署名が困難なケースではなかったとしている。
患者については「プライバシーの観点から公表しない」と説明した。
実施計画書は、患者の状態や治療方針が明記され、診療報酬の算定に当たり作成される。
同意書は治療を進めることを確認する文書。
いずれも原則、患者本人か家族が署名する。
同病院の担当者は「患者本人に説明する場を設けたい。調査結果を踏まえて再発防止策を示したい」と話した。
代筆が困難なケースではない?
この記事の内容からすると無断代筆の対象となった患者は署名が困難な対象ではなかったようです.
この記事だけでは詳細は不明ですが,なぜ署名が可能な患者に対して無断代筆を行ったのでしょうか?
理由としては単純で業務負担が減るといったところが大きいのでしょうか?
患者に署名をもらう手間を省くために無断代筆を行っていたということであれば,これは問題ですね.
場合によっては組織的に無断代筆が当たり前になっている可能性もありますので,そうだとするとこの病院は大規模なリハビリテーション料の返還を命じられる可能性もあります.
これがこの作業療法士だけの問題であったとしても,全例無断代筆を行っていたとなるとこれは大問題でしょうね.
いずれにしてもかなり捜査が入るのではないでしょうか?
氷山の一角?
SNSでは氷山の一角だという話もありましたが,確かに認知症や意識障害を合併している症例に対してご家族へも署名を得られず,無断代筆というケースはどこの病院でもあり得ると思います.
そういった意味では今回の案件は氷山の一角かもしれませんが,ただ署名可能な患者に対して無断代筆というのはこの時代アウトなのは誰でもわかりますよね…
無断代筆は原則として認められない?
元来署名が可能な患者の場合には,無断での代筆というのは言語道断ですが,2022年の診療報酬改定では認知症や意識障害を合併し,署名が困難な患者に関しても,基本的には家族の署名が必須となり,制度が厳格化されました.
電話をして郵送といったパターンが多いようですが,いずれにしても手間でしかありません.
コロナで面会が制限される中で,厳格化された制度に対してどこまで監査で取り締まりが行われるのかが気になっておりましたが,こういったニュースが出てくるということは,やはり煩雑でもやれることをきっちりやっておかないとまずいことになりそうですね.
もう少し規制緩和してほしいですけどね…
今回は注意喚起のためにリハビリテーション実施計画書の無断代筆の問題についてご紹介させていただきました.
理学療法士・作業療法士の皆様も注意してください.