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質問しない新人理学療法士・作業療法士はやる気が無い?
新人理学療法士・作業療法士の皆様は先輩理学療法士・作業療法士から「質問ない?」なんて聞かれること多いですよね.
これは臨床実習でも同じですが質問をしないと消極的だとか,やる気が無いといったとらえ方をされてしまうことも多いでしょう.
今回は質問しない新人理学療法士・作業療法士はやる気が無いととらえられる件に関して考えてみたいと思います.
質問しない=やる気がない?
理学療法士・作業療法士の臨床実習や新人教育では「質問しない=やる気がない?」といった公式で話が進んでしまうことが多いです.
ただこの公式って本当に成り立つのでしょうか?
質問するというのはコミュニケーションの1つですので,積極的に質問する理学療法士・作業療法士は何かを知りたい,不思議にもうということはいろいろと思考を巡らせているわけですので,質問する理学療法士・作業療法士がやる気があるととらえられるのは理解できます.
しかしながら質問をしない理学療法士・作業療法士が決してやる気がないわけではないと思うんですよね.
質問しない理学療法士・作業療法士には質問できない何らかの理由があるのだと思います.
新人理学療法士・作業療法士が質問しないのはなぜか?
この場合,新人理学療法士・作業療法士が質問しないというよりも,質問できないといったケースの場合が多い印象ですが,実際にはどういった理由で質問ができないのでしょうか?
①遠慮,気遣い,緊張
まずは新人理学療法士・作業療法士からすると先輩理学療法士・作業療法士が忙しそうで遠慮してしまって質問ができないということもあるでしょう.
場合によっては緊張から頭が真っ白になってその場では聞きたいことが聞けないといったケースも想定されます.
②分からないことが分からない
これはけっこう多いと思います.
そもそも何がわかっていて何がわからないのかが整理できていないケースです.
根本的なところが理解できていないとどこまでが自分で勉強すれば解決する内容で,どこからが先輩理学療法士・作業療法士に質問しないと解決しない内容なのかがわからないということが多いでしょう.
③プライド
理学療法士・作業療法士の中にはプライドが邪魔をして質問できないといったケースも散見されます.
これは社会人を経験した年配の新人理学療法士・作業療法士に多いと思います.
プライドが邪魔をして自分にわからないことがあることを認めたくないといったことが多いでしょう.
これって損ですけどね…
④指導者の雰囲気で質問しにくい
質問される先輩理学療法士・作業療法士の態度も質問ができなくなる原因だと思います.
指導者が質問に対して面倒臭そうな態度を示せば,新人理学療法士・作業療法士も萎縮してしまって質問なんてしたくないと思運用になるでしょう.
また先輩理学療法士・作業療法士が常に忙しそうな雰囲気を出してしまっていると新人理学療法士・作業療法士も質問したくてもできないといった状況に陥ってしまいます.
⑤質問することによって知識を得るといった考えがない
最近の若者はインターネットを始めさまざまな情報を簡単入手することができます.
ある意味,受け身の学習方法に慣れてしまっていて,授業や書籍などから受身的に学ぶという姿勢の新人理学療法士・作業療法士が多いです.
そのため自分で質問しなくても,先輩理学療法士・作業療法士から教えてもらうのを待ってしまうといった方が多いのも実際です.
このあたりは世代の差もあると思いますので指導者はこのあたりも考慮しておく必要があるでしょう.
⑥質問をするまでに時間がかかる
場合によってはクライアントの見学をして自分で思考を整理するまでに時間がかかる新人理学療法士・作業療法士もいます.
その場では考えをまとめるのが難しくて質問が明確になるまでにタイムラグが生じるケースです.
こういった場合には事後でも質問してほしいといった意思を先輩理学療法士・作業療法士の側から伝えておく必要があるでしょうね.
先輩理学療法士・作業療法士は何を求めているのか?
新人理学療法士・作業療法士の立場に立つと,先輩理学療法士・作業療法士の「質問ない?」の言葉の裏にどういった思いが隠されているかを知っておくことも重要です.
先輩理学療法士・作業療法士としては「質問ない?」といった働きかけから以下のようなことを知りたいと考えていることが多いでしょう.
クライアントの理学療法・作業療法を見学してどういった感想を持ったか?
先輩理学療法士・作業療法士からの説明がどれだけ理解できているのか?
何か疑問に思ったことはないか?
こんなところでしょうか?
結局のところ「質問ない?」という働きかけは,クライアントのことをディスカッションするためのコミュニケーションの第1歩なのです.
なので質問内容なんてけっこうどうでもよくてそこを切り口にいろいろと議論ができれば良いのだおともいます.
先輩理学療法士・作業療法士が「質問ない?」と聞いても新人理学療法士・作業療法士がなかなか質問をできない場合には,先輩理学療法士・作業療法士の方から何か持ちかけてみるとか,質問ではなく「思ったこと」を話してもらうなんていうのも良いかもしれませんね?
「見学してみて何か思ったことがありますか?」なんて働きかけの仕方が良いと思います.
今回は質問しない新人理学療法士・作業療法士はやる気が無いととらえられる件に関して考えてみました.
「質問しない=やる気がない」ではなく先輩理学療法士・作業療法士はなぜ新人理学療法士・作業療法士が質問ができないのかを考えたうえで,先輩理学療法士・作業療法士側から働きかけていくことが重要になるでしょうね.
今の世代は手取り足取り教えてあげないと質問待ちでは何も発展性はないでしょうね.