理学療法士・作業療法士へ20単位以上のノルマを課すことは何が問題か?

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理学療法士・作業療法士へ20単位以上のノルマを課すことは何が問題か?

理学療法士・作業療法士の皆様の職場では単位数のノルマって課せられていますか?

理学療法士・作業療法士の取得単位のノルマには職場間でかなり格差があって16単位と比較的ゆっくりと仕事をできる職場から20単位と事実上,残業無しではノルマをこなすことができない職場までさまざまです.

理学療法士・作業療法士へ20単位以上のノルマを課すことは何が問題なのでしょうか?

今回は理学療法士・作業療法士へ20単位以上のノルマを課すことは何が問題かについて考えてみたいと思います.

white concrete counter stand

 

 

 

 

 

 

医療機関で勤務する理学療法士・作業療法士に課せられるノルマ

皆様もご存知のように,理学療法士・作業療法士には1人当たりの1週間における上限単位数というのが存在します.

1週間の上限は108単位となっております.

仮に週5日勤務の医療機関であれば,1日当たり21.6単位を取得すれば,この上限単位数である108単位に達する計算になります.

われわれはクライアントへの対応の他にも,診療録の記録やリハビリテーション実施計画書などの書類の作成,カンファレンスへの出席,各種委員会・会議への参加など,さまざまな業務を並行して行う必要があります.

クライアントに提供する理学療法・作業療法の時間は1単位あたり20分ですので,8時間勤務であれば,移動時間や間接業務の時間を全く無視すれば,1日当たり24単位の取得が可能ということになります.

 

 

 

 

 

 

 

現実的に20単位の取得は困難?

しかしながら移動時間やその他の間接業務を考えれば,1日24単位の取得というのは現実的ではありません.

監査でも毎日全ての理学療法士・作業療法士が24単位を取得していれば,指摘を受ける可能性が非常に高いわけです.最近は診療録上もクライアントとクライアントの間に最低2分以上の移動時間を設けておかないと指摘を受けることが多いです.

実際には21単位(7時間)をクライアント対応にあてて,残り1時間を間接業務や移動時間にあてるといった時間配分や,18単位(6時間)をクライアント対応にあてて,残り2時間を間接業務や移動時間にあてるといった職場が多いと思います.

21単位を週5日取得すれば,1週間の上限である108単位により近い単位数を取得できるわけです.

しかしながら1日当たり21単位の取得というのは,時間的にかなり余裕のない状態で仕事をすることになります.

新患対応やカンファレンスなんかがはいってくると現実的には8時間内に業務を終わらせることができません.

結果的に1人当たりの対応時間を短縮し,時間をごまかして疾患別リハビリテーション料を算定するといった違法行為が横行している状況です.

昨今は疾患別リハビリテーション料の時間に関連した不正が明るみになるケースも少なくありません.

 

 

 

 

 

 

 

単位の浪費

また過剰な単位数のノルマを設けることによる弊害として単位数の浪費が挙げられます.

単位数のノルマを設定することで対象者の方に本来必要でない単位数を浪費してしまう可能性があります.

必要な単位数を提供して適切な仕事量になるのが理想なわけですが,ノルマのために必要でもない単位数を浪費してしまうわけです.

適正単位数を客観的に判断するのは非常に難しいですが,考えないといけないのはリハビリテーション料や医療費というのは大部分が税金であるといった点です.

理学療法士・作業療法士がノルマのために必要でない単位数を浪費するということは結局のところ税金を無駄遣いしてしまっているということになります.

税金を無駄遣いして自分の仕事を確保せざるを得ないというのはなんだか悲しいですよね.

現場のみが疲弊してしまうと思います.

 

今回は理学療法士・作業療法士へ20単位以上のノルマを課すことは何が問題かについて考えてみました.

経営的な側面から考えると単位数のノルマの設定は必要かもしれませんが,過剰なノルマの設定は現場を疲弊させます.

管理者の理学療法士・作業療法士は改めて自施設の単位数のノルマ設定が妥当かどうかを考える時期に来ているのではないでしょうか?

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