理学療法関連のオープンアクセスジャーナルって本当に質が低いの?

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理学療法関連のオープンアクセスジャーナルって本当に質が低いの?

理学療法士・作業療法士の皆様はオープンアクセスジャーナルって耳にされたことがありますか?

巷ではオープンアクセルジャーナルって雑誌としての質が低いなんて話もありますが実際のところどうなのでしょうか?

今回は理学療法関連のオープンアクセスジャーナルって本当に質が低いのかどうかについて考えてみたいと思います.

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オープンアクセスジャーナルとは?

オープンアクセスジャーナルというのは学術雑誌のうち,オンライン上で無料かつ制約無しで閲覧可能な状態に置かれているものを指します.

クリエイティブ・コモンズなどのライセンスを使用して,自由な再利用を認めているものも多いです.

オープンアクセスの定義もさまざまですが,基本的にはそれまでの読者から費用を回収する方式ではなく,著者が費用を負担する形式となっているものが多いです.

他にも掲載から一定期間経過するとオープンアクセスとなる雑誌も存在します.

最近は大手出版社からもオープンアクセスジャーナルが出版されるようになるなど,着実にシェアを増やしてきている状況です.

メガジャーナルと呼ばれる多数の論文を掲載するものも存在し,中には年間30,000本以上の論文を掲載するものもあります.

 

 

 

 

 

 

 

オープンアクセスジャーナルには批判も多い

以前より加速度的に増加しているオープンアクセスジャーナルですが批判が多いのも実際です.

研究者が費用を負担することへの否定的な見解や,査読に対し信頼性が低いといった批判もあります.

読まれることによって収入を得るのではなく,論文を掲載することによって収入を得るため,質の低い論文でも掲載する,あるいはデタラメな論文でも掲載する出版社も存在します.

そのためオープンアクセスジャーナルは質が低いとされることもしばしばです.

 

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介する論文

Am J Phys Med Rehabil. 2022 Apr 13. doi: 10.1097/PHM.0000000000002029. Online ahead of print.

The methodological quality of physical therapy related trials published in open access and subscription journal: A cross sectional meta-epidemiological study

Takashi Ariie, Yusuke Tsutsumi, Shunsuke Taito

PMID: 35440526 DOI: 10.1097/PHM.0000000000002029

今回ご紹介する論文は2022年に掲載された論文です.

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の目的

Objective: We aimed to compare the methodological quality of physical therapy-related trials published in open access with that of trials published in subscription-based journals, adjusting for subdiscipline, intervention type, endorsement of the consolidated standards of reporting trials (CONSORT), impact factor, and publication language.

オープンアクセスで出版された理学療法関連の臨床試験の方法論の質を,購読制の雑誌で出版された臨床試験と比較することを目的とし,細分化,介入方法,臨床試験の報告に関する統合基準(CONSORT)の支持,インパクトファクター,出版言語を調整したうえで比較しております.

 

 

 

 

 

 

 

研究デザイン

Design: In this meta-epidemiological study, we searched the Physiotherapy Evidence Database (PEDro) on May 8, 2021, to include any physical therapy-related trials published from January 1, 2020. We extracted variables such as CONSORT endorsement, the PEDro score, and publication type. We compared the PEDro score between the publication types using a multivariable generalized estimating equation (GEE) by adjusting for covariates.

このメタ疫学研究では,2021年5月8日にPhysiotherapy Evidence Database(PEDro)を検索し,2020年1月1日に発表された理学療法関連の臨床試験を対象としております.

CONSORTの裏付け,PEDroスコア,出版タイプなどの変数を抽出しております.

共変量を調整した多変量一般化推定方程式(GEE)を用いて,出版タイプ間のPEDroスコアを比較しております.

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

Results: A total of 2,743 trials were included, with a mean total PEDro score (SD) of 5.8 (±1.5). Trials from open access journals had a lower total PEDro score than those from subscription-based journals (5.5 ± 1.5 vs. 5.9 ± 1.5, mean difference [MD]: -0.4; 95% confidence interval: 0.3-0.5). GEE revealed that open access publication was significantly associated with the total PEDro score (MD: -0.42; P < 0.001).

合計2,743本の臨床試験が対象となり,平均総PEDroスコア(SD)は5.8(±1.5)でありました.

オープンアクセスジャーナルからの臨床試験は,購読ベースのジャーナルからの臨床試験よりもPEDroスコアの合計が低い結果でありました.(5.5 ± 1.5 vs. 5.9 ± 1.5、平均差[MD]:-0.4、95%信頼区間:0.3-0.5).

GEEによりオープンアクセス誌の出版はPEDroスコアの合計と有意に関連しておりました(MD:-0.42、P < 0.001).

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結論

Conclusions: In the recent physical therapy-related trials, open access publications demonstrated lower methodological quality than subscription-based publications, although with a small difference.

最近の理学療法関連の臨床試験において,オープンアクセスの出版物は,購読ベースの出版物に比べ,わずかな差ではあるが,方法論の質が低いことが示されました.

 

今回は理学療法関連のオープンアクセスジャーナルって本当に質が低いのかどうかについて考えてみました.

結果はわずかにオープンアクセスジャーナルの質が低いといったものでした.

雑誌名で論文の質を評価するのはどうかと思いますが,最終的には論文の質を吟味する読者の力が必要ということになるでしょう.

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