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理学療法学科の専門学校・大学教員は安泰?
理学療法士の職場の1つとして大学の教員が挙げられます.
平均的には臨床で働く理学療法士よりも年収が高い場合も多いですし,大学教員ってなんかかっこいいですよね.
でも知ってました?
大学教員ほど安定していない立場の理学療法士もいないことを…
今回は理学療法学科の大学教員は安泰かどうかについて考えてみたいと思います.
契約更新が必要
大学教員の場合には多くの大学で数年の雇用という形式で契約がなされている場合が多いです.
研究業績や教育業績によっては数年で解雇になる場合もありますし,大学教員というのは決して安定しているとはいえないのが実際です.
また臨床で勤務する理学療法士とは異なり,常に業績を積み上げていく必要があります.
業績というのが一番は論文ですね.
IFの高い雑誌へ論文が掲載されることが大きな研究業績となることは言うまでもありません.
つまり大学教員の場合には,常に研究業績を積み上げなければ契約が更新されない可能性があるというわけです.
臨床で勤務する理学療法士のようにお気楽ではないわけですね.
将来的な理学療法士需給問題で一番に影響を受ける
以前から理学療法士の需要と供給の問題に関してはさまざまな場所で議論がなされております.
日本理学療法士協会の推計では2025~2026年には理学療法士の需要と供給のバランスが逆転することが推測されております.
つまり理学療法士の供給が需要を上回り,理学療法士の雇用が無くなることが危惧されているわけです.
こういった理学療法士の需要と供給の問題で一番初めに影響を受けると思われるのが教育機関で勤務する理学療法士です.
せっかく国家資格を取得しても雇用が無いのであれば,理学療法士になろうという若者も減ってしまうでしょう.
さらに高校の先生も進路として理学療法士を目指すことを勧めなることが多くなるでしょう.
既に高校では理学療法士の需要と供給のバランスを考えて進路として理学療法士を勧め無い高校教員が増えているといった話もありますが…
まずは専門学校教員から?
こういった需要と供給の問題で一番のあおりを受けると思われるのが専門学校でしょう.
地方の専門学校では既に理学療法学科も定員割れしているところが多いですが,理学療法士の需要と供給のバランスが崩れればまずは専門学校の定員割れがより顕著となり,専門学校経営自体が成り立たなくなる可能性があります.
そうなると一番に職を失う可能性があるのが専門学校教員です.
人口比に対して養成校の定員数が過剰な都道府県では特に注意が必要です.
専門学校教員は研究業績を要求されることは少ないかもしれませんが,現状から考えるともっとも将来が不安視される就職先とも考えることができます.
再就職先も問題
また教員の場合,10年以上も臨床から離れているといった方が多いのも実際です.
再就職先として臨床で勤務するのが難しくなっている場合も少なくないと思います.
教員経験のある理学療法士って職場としても扱いに困るところがありますしね.
再就職先を探すのも簡単ではないでしょうね.
訪問看護ステーションとかそういったところが中心になるでしょうか…
今回は理学療法学科の大学教員は安泰かどうかについて考えてみました.
理学療法士の需要と供給のバランスが崩れた際に一番にあおりを受けるのはおそらく臨床で勤務する理学療法士よりもまずは養成校教員です.
少子化が進む中で理学療法士を目指す若者が減少する状況で養成校をいかに存続させるかというのは今後も大きな課題になってくるでしょうね.