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国公立病院はいまだに土日休みの医療機関が多い?
昔は理学療法士・作業療法士といえば平日に働いて土日祝日は休みという働き方がほとんどでした.
最近では回復期リハビリテーション病棟では365日体制での診療が当たり前になっておりますし,急性期でも365日体制でリハビリテーションサービスを提供しているところが増えております.
しかしながらいまだに土日休みのところが多いのが国公立病院です.
今回は国公立病院のどのくらいの医療機関が土日休みなのかについて考えてみたいと思います.
国公立病院のどのくらいの医療機関が土日休みなのか?
国公立病院のどのくらいの医療機関が土日休みなのかについては理学療法白書2021のデータより協会の調査データをご紹介させていただきます.
これは2019年8月に日本理学療法士協会が行った調査から得られたデータより作成したものになります.
医療機関の種類別に土日休みの割合を表したものです.
基本的には公的医療機関の多い急性期病院のデータと考えてよいと思います.
国立病院ではおおよそ4割程度,県立・市立・町立病院ではおおよそ3割程度,公的医療機関(上記以外)というのは日赤とか済生会なんかが該当するのだと思いますが3割程度,非公的医療機関では驚くべきことに土日休みの医療機関はほとんどないということになると思います.
なぜ国公立病院では365日体制でのリハビリが普及しないのか?
なぜ国公立病院では365日体制でのリハビリが普及しないのかを考えた際に大きく2つの原因があると思います.
人員の問題
都道府県・市町村の医療機関では自治体制度で定められている規定人数上限より増員ができないといった状況があります.
非常勤で採用するなど工夫をされている医療機関もありますが,なかなか人員を増やせないというのが1つの原因でしょう.
管理者が動かない,動けない
国公立病院のリハビリテーション部門というのは比較的歴史も古く,理学療法士・作業療法士もベテランの方が多いです.
今さら365日体制で働きたくないといった方も多く,診療体制を365日にすることに抵抗がある方も多いのが実際です.
管理者自らが365日体制にはしたくないといった場合もあるでしょう.
また国公立病院の場合には離職者も少ないので古い体質をなかなか変えられないといった側面もあるでしょう.
今回は国公立病院のどのくらいの医療機関が土日休みなのかについて考えてみました.
民間の医療機関の9割以上が土日休みじゃないのに対して,国公立病院では4割程度,非公的医療機関では3割がまだ土日休みということですのでまだまだ格差があることがわかります.
ただ最近は公的医療機関でも既に365日体制に代わっているところが増えているなといった印象ではあります.
まぁこう考えるとまだまだ国公立病院の土日休みのところは割合的には多いですし土日休みは魅力でもありますね.