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理学療法士・作業療法士って聴診器を首にかけがち
急性期病院に勤務する理学療法士・作業療法士あるあるですが,急性期病院に勤務する理学療法士・作業療法士って聴診器を首にかけがちですよね.
カッコいいと思って首にかけている理学療法士・作業療法士が多いのだと思いますが,これって感染管理の面で考えるとNGです.
今回は理学療法士・作業療法士は聴診器を首にかけがちといったお話です.
聴診器は菌汚染リスクが高い
聴診器は医療従事者が手で触り,かつ患者の体に当てる医療器具であり,消毒もあまりされないことから菌汚染リスクは高く,手自体の汚染度に匹敵するとも報告されています.
クライアントの体表に当てる膜部は,特に菌汚染が生じやすいです.
一般的に微生物は凹凸面よりも平滑面上の方が長く生存しうることが知られています.
感染症患者と接触する以上,本来なら聴診器は持ち歩くべきではなく,原則として個々の患者専用とするのが望ましいというのが本当です.
超新規に限らず血圧計や体温計も患者専用とするのが理想です.
ただ現実的には患者専用というのはコスト的にも難しいため結局は持ち歩くことになるわけです.
ただ聴診器の消毒と手指衛生を怠れば院内感染は容易に成立してしまうことを知っておかなくてはなりません.
なおICUや血液内科病棟においては,聴診器を個々の患者専用とすることを絶対条件としている医療機関も少なくありません.
聴診器を首にかけてはいけない
首に聴診器をかける人は非常に多いですが,これは感染対策上,行うべきではありません.
病院機能評価の際に見つかると評価員に注意されることもあります.
首は腋窩同様にグラム陽性菌のリザーバーの一つであり,聴診器汚染の原因となり得ます.
超新規を持ち運ぶなら首にかけるよりは白衣のポケットに入れる方が無難です.
もちろん白衣のポケットも手を入れる場所であり,埃もたまるため,汚染されているリスクは高いです.
聴診器を首にかけないもう一つの理由として,理学療法士・作業療法士はクライアントに接近してケアすることが多いです.
このため首にかけたままクライアントにケアをすると,聴診器がクライアントにぶつかってしまう可能性があります.
首にかけると確かに楽
首にかけるのって確かに楽ではあるんですよね.
すぐに使えますし,ポケットに入れると言っても他にもメモ帳や検査機器が入っていてポケットになかなか入らないということも多いですからね.
首から聴診器をかけると一気に医療従事者感が増しますしね.
ただコロナ禍において感染管理に対する意識が以前より高くなった昨今では首にかける聴診器スタイルは減らさないといけないでしょうね.
今回は理学療法士・作業療法士は聴診器を首にかけがちといったお話です.
聴診器を首にかけるのは感染管理の面から考えるとNGです.
コロナ禍においては理学療法士・作業療法士が感染を広げないといった意識が重要でしょうね.