変形性膝関節症例に対する内側広筋のトレーニングって本当に必要?

変形性膝関節症
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変形性膝関節症例に対する内側広筋のトレーニングって本当に必要?

昔から変形性膝関節症例に対する筋力トレーニングの中で行われてきたのが内側広筋の筋力トレーニングです.

しかしながらなぜ内側広筋のトレーニングなのか,また内側広筋のトレーニングが本当に有効なのかどうかについては不明な部分が多いのも実際です.

近年の報告では内側広筋と内側ハムストリングスの収縮が脛骨大腿関節内側コンパートメントの圧縮応力を増加させるといった報告も散見されます.

今回は変形性膝関節症例に対する内側広筋のトレーニングって本当に必要なのかどうかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきます.

person sitting on white sand during daytime

 

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介する論文

J Phys Ther Sci. 2015 Apr; 27(4): 1261–1265.

Published online 2015 Apr 30. doi: 10.1589/jpts.27.1261

Relationship between knee alignment and the electromyographic activity of quadriceps muscles in patients with knee osteoarthritis

SeongHoon Lim, MD, PhD,1 Bo Young Hong, MD, PhD,1 JeeHae Oh, MD,2 and Jong In Lee, MD, PhD2,*

今回ご紹介する論文は2015年に掲載された論文です.

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の目的

[Purpose] We evaluated the relationship between knee alignment and the electromyographic (EMG) activity of the vastus medialis (VM) to the vastus lateralis (VL) muscles in patients with knee osteoarthritis (OA) in a cross-sectional study.

変形性膝関節症例の膝関節アライメントと内側広筋と外側広筋の筋電図活動との関係を横断的に評価しております.

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の方法

[Subjects and Methods] Forty subjects with knee OA were assessed by anatomic radiographic knee alignment and the VM/VL ratio was calculated. Surface EMG from both the VM and VL muscles were evaluated during maximal isometric contraction at 60° knee flexion. Simultaneously, peak quadriceps torque was assessed using an isokinetic dynamometer. Subjects were categorized into low, moderate, and high varus groups according to knee malalignment. The peak quadriceps torque and VM/VL ratio across groups, and their relationships with varus malalignment were analyzed.

40例の変形性膝関節症例を対象として,解剖学的なX線写真による膝のアライメントを評価し,内側広筋/外側広筋の活動比を算出しております.

内側広筋と外側広筋の両方の筋肉の表面筋電図は,膝関節屈曲60°における最大等尺性収縮時に評価しております.

同時に等速性動力計を用いて大腿四頭筋のピークトルクを評価しております.

対象者は膝のマルアライメントに応じて,低・中・高バルス群に分類しております.

各群における大腿四頭筋のピークトルクと内側広筋/外側広筋比,およびそれらと内反アライメントとの関係を分析しております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

[Results] All subjects had medial compartment OA and the VM/VL ratio of all subjects was 1.31 ± 0.28 (mean ± SD). There were no significant differences in the peak quadriceps torque or VM/VL ratios across the groups nor were there any significant relationships with varus malalignment.

被験者全員が内側型変形性膝関節症例で,全被験者の内側広筋/外側広筋の活動比は1.31±0.28(平均±SD)でありました.

大腿四頭筋のピークトルクや内側広筋/外側広筋の活動比には群間で有意な差はなく,内反アライメントとの関係も有意ではありませんでした.

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結論

[Conclusion] The VM/VL ratio and peak quadriceps torque were not associated with the severity of knee varus malalignment.

内側広筋/外側広筋の活動比および大腿四頭筋のピークトルクは,膝関節の内反アライメントの重症度とは関連しませんでした.

 

今回は変形性膝関節症例に対する内側広筋のトレーニングって本当に必要なのかどうかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました.

あくまでアライメントと広筋群の活動の比率に関連がないというだけですので,トレーニングの必要性を論じることはできませんが,この結果から見ても広筋群の活動と内反アライメントと直接的な関連性はなさそうですね.

なぜ昔から理学療法士・作業療法士は内側広筋のトレーニングにこだわってきたのでしょうか…

PF関節障害とか反復性膝蓋骨脱臼とか内側広筋のトレーニングが本当に必要な膝関節疾患もありますけどね.

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