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理学療法士・作業療法士が学会や研修会の司会を行う際に注意すべきこと
理学療法士・作業療法士が学会や研修会における司会の役割を務めることは多いと思います.
研修会や学会を成功させるためにも,司会の仕事というのは重要となります.
今回は理学療法士・作業療法士が学会や研修会の司会を行う際に注意すべきことについて考えてみたいと思います.
学会や研修会における司会の仕事
理学療法士・作業療法士が学会や研修会の司会を行う際には以下のような役割が求められます.
・開始のアナウンス
・注意事項のアナウンス
・開会の挨拶のアナウンス
・講師・座長の紹介のアナウンス
・休憩および次のプログラムのアナウンス
・閉会の挨拶のアナウンス
・次回学会や懇親会の案内のアナウンス
司会は学会や研修会のタイムキーパーの役割も担っておりますので,時間どおりにプログラムを勧めることも重要です.
学会の司会とセッションの進行係座長の違い
学会の場合には,進行係は全体の案内・アナウンスを行う「司会」と,各セッションの質疑応答や進行をはかる「座長」の二つに分かれます.
「司会」は全体の進行を担当するのがメインであり自分の意見を挟むことはできません.
基本的にはタイムテーブルや台本に従って,つつがなく進行することが重要となります.
司会の場合はどちらかといえば裏方的な存在だと考えられます.
一方で「座長」はセッションの進行を担いながら,時間管理・質疑応答の進行などを行います.
演題の専門分野の内容にも精通している必要があり,専門家として質問に対して自分の意見をコメントすることも可能です.
理学療法士・作業療法士が司会進行する上で気を付けたいポイント
学会や研修会の司会進行は,静粛かつ厳格な雰囲気のなかで行われるため,かなり緊張される方も多いと思います.
司会進行の上で注意したい点は以下の3つです.
・事前に台本を用意し,タイムテーブルも把握しましょう(何度も練習しておくと安心ですね).
・学会名,人名や,肩書き所属などを正しく確認しましょう(地名や人名は思わぬ読み方を誤るととても失礼になりますので事前に確認したうえでフリガナをつけておきましょう).
・敬語の選び方に気をつけましょう(特に二重敬語には注意が必要ですね).
当日緊張しないためにも事前に練習を何度も行う
何事もそうですが,準備が最も肝心です.
事前に準備した台本・アナウンス原稿・資料を何度も読み込んで,頭の中に叩き込んでおき,声に出して練習してみると,当日緊張せずに進行することができます.
声を出すときは,会場の一番後ろにいる方に向かって声を届けるイメージで,声を出すとよいです.
もし可能であれば一度自分の声を録音して聞いてみると効果的です.
自然な抑揚の付け方,聞きやすいスピードなど,客観的な判断ができるようになります.
普段の理学療法士・作業療法士の仕事における発声とは異なる視点での発声が必要ですね.
司会の台本・原稿例
ここでは理学療法士・作業療法士の学会・研修会における一般的な司会者のセリフを含めた台本・原稿例を紹介させていただきます.
こちらを元にご自身で言葉を足して台本を完成させるとよいでしょう.
①開会式の案内
皆様,大変お待たせしております.
まもなく第○回日本理学療法士〇〇学会を開会いたします.
当会場内では携帯電話の電源はお切りいただくか,マナーモードにしていただきますようよろしくお願いいたします.
定刻通り9時30分より,開会式を開催しますので, 5分前にはご着席ください.
開始まで後10分ほどございますので,今暫くお待ちください.
②一般演題開始の案内
ただ今より一般演題Ⅰを開始いたします.
座長は○○病院〇〇先生です.
〇〇先生,よろしくお願い致します.
③一般演題開始の終了の案内
座長の〇〇先生,そして演者の先生方,ありがとうございました.
以上をもちまして一般演題Ⅰを終了いたします.
④閉会式の案内
お待たせ致しました.
ただいまから第〇回日本理学療法士○○学会の閉会式を執り行います.
はじめに準備委員長の○○先生より,閉会の挨拶をさせていただきます.
以上をもちまして,第〇回日本理学療法士〇〇学会を終了いたします.
この度はご来場いただき,誠にありがとうございました.
今回は理学療法士・作業療法士が学会や研修会の司会を行う際に注意すべきことについて考えてみました.
何事も準備が大変ですね.
司会を務める機会を得たら,しっかりと準備をして臨めるとよいですね.