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今後は地域包括ケア病棟における補完代替リハビリテーションの普及が加速する?
2022年4月の診療報酬改定に向けてさまざまな動きがありますが,理学療法士・作業療法士が注目すべき動きの1つとして地域包括ケア病棟における補完代替リハビリテーションが挙げられます.
補完代替リハビリテーションが普及すれば理学療法士・作業療法士の働き方も大きく変化することが予測されます.
今回は今後は地域包括ケア病棟における補完代替リハビリテーションの普及が加速するのではないかといったお話です.
補完代替リハビリテーション:CARB(Complementary and Alternative Rehabilitation)とは?
補完代替リハビリテーション:CARB(Complementary and Alternative Rehabilitation)というのは地域リハビリテーション病棟における新しいリハビリテーションのスタイルです.
地域包括ケア病棟では,スケジュールと提供量(20分1単位)を管理された疾患別・がん患者リハ以外に,リハ包括算定を活かした時間・単位・場所に縛られないリハを提供できます.
既に現行の地域包括ケア病棟でこの補完代替リハビリテーションを展開されている施設も多いでしょう.
補完代替リハビリテーション:CARB(Complementary and Alternative Rehabilitation)には,POC(Point of Care)リハや集団リハ,院内デイケア・デイサービス,自主トレーニング指導、運動療法指導(疾患別などが含まれます.
補完代替リハ(CARB)は,主治医の包括的指示と処方の下に理学療法士・作業療法士が実施します.
分単位のリハビリ記録の記載が必要で,疾患別・がん患者リハと同時に実施できず,1日平均2単位以上の要件にも含まれません.
POC(Point of Care)リハビリテーション補完代替リハ(CARB)のうち,療養中の患者の傍ら(Point of Care)で個別に短時間(20分未満/回),オンデマンドでリアルタイムに直接介入するリハをPOCリハと称しております.
具体的な補完代替リハ(CARB:Complementary and Alternative Rehabilitation)の形式とは?
具体的な補完代替リハ(CARB:Complementary and Alternative Rehabilitation)の形式としては以下のようなものが挙げられます.
1)POC(Point Of Care)リハ
①OT-POCリハ:個別の生活回復リハ
②PT-POCリハ:個別の廃用・褥瘡予防と機能回復リハ
2)集団リハ
3)院内デイケア・デイサービス
4)自主トレーニング指導
5)運動療法指導
補完代替リハ(CARB)の注意点
補完代替リハ(CARB)の注意点としては以下のような決まりがあります.
主治医が包括的指示として処方
理学療法士・作業療法士が実施・リハ記録(分単位)の記載が必要
疾患別リハと同時実施は不可
理学療法士・作業療法士の勤務時間として計算
1日平均2単位以上の疾患別
がん患者リハには含まれない
2021年10月4日の地域包括ケア病棟協会の会見によると
2021年10月4日の地域包括ケア病棟協会の会見では「補完代替リハビリテーションによるADL改善」の評価を検討すべきとした考えを述べております.
診療報酬上,リハビリテーションの評価は「1単位20分以上」「個々の患者への実施」「機能訓練室での実施」などの要件に沿って行うことが求められているが,1回20分未満(補完代替リハビリ)も実施されている現状があります.
これに対して「1回20分以内,1日数回,1週間以内の短期集中リハビリテーション」を行い,成果に対してアウトカム評価としての加算を設けてはどうかと提案がなされております.
今回は今後は地域包括ケア病棟における補完代替リハビリテーションの普及が加速するのではないかといったお話でした.
次々回の改定では,おそらく基本入院料を減じた上で,補完代替リハビリテーション:CARB(Complementary and Alternative Rehabilitation)やPoint of careが診療報酬上でも加算として組み込まれる可能性が高いですね.