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MRSA(MMT・ROM・Sensory・ADL)評価が短絡的な理学療法の原因?
理学療法士・作業療法士による評価と言えば代表的なところではMMT・ROM・Sensory・ADLが挙げられます.
MMT・ROM・Sensory・ADLの評価の重要性というのは言うまでもありませんし,卒然教育の中でMMT・ROM・Sensory・ADLによる評価については時間を割いて教育がなされると思います.
一方でこういったMRSA(MMT・ROM・Sensory・ADL)評価が短絡的な理学療法の原因となる可能性もあります.
今回はMRSA(MMT・ROM・Sensory・ADL)評価について考えてみたいと思います.
MMT・ROM・Sensory・ADL評価はあくまで現象の評価に過ぎない
これは言うまでもありませんがMMT・ROM・Sensory・ADL評価って何を評価しているのでしょうか?
MMTは筋力
ROMは関節可動域
Sensoryは間隔機能
ADLは日常生活動作能力
これって現象を評価しているだけですよね.
もちろん障害の有無を判断するためにはこういった現象の評価は重要ですが,MMT・ROM・Sensory・ADL評価だけでは運動療法につなげるのは難しいのも事実です.
あくまで現状を理解するための評価と言えるでしょう.
理学療法士・作業療法士にありがちな短絡的なプログラム
理学療法・作業療法評価がこういった現象の確認だけにとどまると理学療法・作業療法プログラムも短絡的なプログラムに終始してしまいます.
MMTで筋力低下があるから筋力トレーニングを行う
ROM検査で関節可動域制限があるから関節可動域運動を行う
Sensory検査で感覚障害があるから感覚統合に向けたアプローチを行う
ADL評価でADL低下があるから日常生活動作練習を行う
これって原因が全く考慮されていませんよね?
関節可動域制限があるから関節可動域運動を行うといったアプローチであれば解剖学や運動学の知識って必要ありませんよね?
確かにこういった短絡的なプログラムで改善が得られる症例もいるのも実際です.
現象の評価の後に原因の推定が必要
現象を評価することも重要ですがそれ以上に重要なのは原因を推定する作業です.
なぜ膝関節屈曲可動域が制限されているのか,どこの組織に問題があるのかを明確にする必要があります.
なぜ股関節伸展筋力が低下しているのか,どういった原因で筋力低下が起こっているのかを明確にすべきです.
原因を考慮しないと結局のところ関節可動域制限があるから関節可動域運動を行うといった短絡的なプログラムに終始してしまうわけです.
今回はMRSA(MMT・ROM・Sensory・ADL)評価の弊害について考えてみました.
MRSA(MMT・ROM・Sensory・ADL)評価というのは本質的な評価にはなり得ません.
現象の原因を考える視点が重要になるでしょうね.