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理学療法士・作業療法士も知っておきたいin vivo,in vitroが意味するところ
理学療法士・作業療法士であれば論文を読んでいる際にin vivoとかin vitroといった表現を見かけることって多いと思います.
ただこのin vivoとかin vitroといった用語の意味ってきちんと理解されていますか?
理学療法士・作業療法士も知っておきたいin vivo,in vitroが意味するところについて解説させていただきます.
In vitroの主役は「細胞」,In vitroって何て読むの?
In vitroとは「試験管内で」という意味のラテン語で,in vitro試験,in vitro研究といった使い方をします.
日本の研究者の中では「ビトロ」という呼び方が定着していると思います.
特に医学・薬学・生物研究分野では,in vitroというと主に細胞を使った実験を意味する場合がほとんどです.
理学療法士・作業療法士の中でも最近は細胞を使った基礎研究に取り組まれる方は増えております.
培養皿上で細胞を培養し,その細胞を観察したり,薬剤の試験をしたり,遺伝子を導入したり,細胞の変化を解析したりする研究ですね.
いずれにしても重要なのは主役が「細胞」であるといった点です.
In vivo の主役は「動物」,In vivoって何て読むの?
ではIn vivoはどうでしょうか?
In vivoというのは「生体内で」という意味のラテン語です.
日本の研究者の間では,「ビボ」という呼び方が多いでしょうか?
In vivo実験では,主役は動物となります.
マウス,ラット,イヌ,ウサギ,ブタ,サルなど動物で行う実験はすべてin vivo実験となります.
具体的には,細胞で証明された現象を動物個体で再現する実験がこれに相当します.
人為的にコントロールされていない条件ということもできます.
Ex-vivoとは?主役は「臓器・組織」
またあまり聞き慣れない言葉かもいしれませんが,Ex vivoといった表現が用いられることもあります.
これは「生体の外で」という意味のラテン語で,臓器や組織を生体の外に取り出してきて,「臓器単体」を対象とする研究です.
細胞(in vitro)で行った実験を動物個体(in vivo)で再現出来て,「やっぱりこの現象は生体でも起きています」という裏付けをするために行うことが多いのですが,しばしば「細胞実験では起きていた現象が,動物個体でやってみると結果が異なった」ということも起こります.
In vivoやIn vitroはイタリック体で記述する?
In vivoやIn vitroといった表現はイタリック体で記述されることが多いと思いますがこれって正しいのでしょうか?
そもそもラテン語はイタリック体で記述するというルールが昔は存在しました.
そのためラテン語はイタリック体で書くようにと指導された理学療法士・作業療法士も多いのではないでしょうか?
代表例として「その他」を意味する「et al.」や「試験管内で」を意味する「in vitro」があります.
ところが最近では,従来イタリック体表記だったものが,徐々にローマン体(通常フォント)で表記するケースが増えています.
結論から申し上げますと現状ではイタリック体でもイタリック体でなくてもどちらでもよいというところでしょう.
基本的には投稿規定に従っておけば問題無いでしょう.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたいin vivo,in vitroが意味するところについて解説させていただきました.
知っているようで知らなかったという方も多かったのではないでしょうか?