白血球とCRPの違いは?

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目次

白血球とCRPの違いは?

電子カルテシステムが普及し,理学療法士・作業療法士が血液検査データを見る機会は以前に比較して多くなっていると思います.

理学療法士・作業療法士が見る血液検査データの中で炎症や感染に関するマーカーとして重要なのがCRPや白血球数です.

でも理学療法士・作業療法士の皆様は白血球とCRPの違いってきちんと把握してますか?

今回は白血球とCRPの違いについて考えてみたいと思います.

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CRPとは?

そもそもCRPというのは何なのでしょうか?

CRPというのはC-reactive proteinの略称です.

炎症や組織が壊れることにより,肝臓で作られる蛋白質の一種です.

CRPも蛋白質の一種なわけですね.

CRPは何らかの感染症にかかっているかをスクリーニングするために,検査として白血球と併用されますがCRPと白血球は全く別のものです.

CRPは急性炎症が起きると6~8時間以内に急速に増加し,48~72時間で最高値となります.

CRPは炎症が治まるとすぐに減少しますので,特定の疾患の診断はできないものの重要な手がかりになってくれます.

 

 

 

 

 

 

 

白血球とは?

白血球というのは外傷や細菌感染などの侵襲が加わるとこれを認識し,すばやく攻撃しようとします.

その結果,発赤・腫脹・疼痛・熱感といった炎症反応が出現します.

次に炎症時に異物や壊死物質を貪食した単球やマクロファージからIL-6やTNFαなどのサイトカインが分泌され,肝細胞に作用してCRPやフィブリノーゲン,αアンチトリプシンなどの急性期蛋白の産生を促進します.

 

 

 

 

 

 

 

 

白血球数(WBC)とCRPの数値には「ずれ」が生じる

炎症が起こっている際の白血球数(WBC)とCRPの数値には必ずずれが生じます.

白血球数の上昇は数時間以内に起こり,CRPの増加は6~12時間後から始まります.

CRPは炎症以外で上昇することはなく,炎症の程度を反映しますが,血中濃度の上昇が明確になるのに半日を要するため,この間は白血球数が参考になります.

 

感染初期:白血球↑CRP→

感染極期:白血球↑CRP↑

感染後期:白血球→CRP↓

 

特に感染初期に反応するのが白血球で,感染兆候が落ち着くと早期に降下するのがCRPというのが非常に重要な特徴です.

 

 

 

 

 

 

 

白血球とCRPの基準値

ちなみに基準値についても把握しておいた方が良いでしょうね.

白血球:3500~9000/μl

CRP :0.3mg/dl以下

 

 

 

 

 

 

 

 

白血球の特徴

もう1つ理学療法士・作業療法士が知っておくべき白血球の特徴があります.

白血球数といのは激しい運動や精神的興奮,痙攣,生理,喫煙,中毒性疾患などでも上昇します.

白血球数というのは炎症に特異的なマーカーではないわけですね.

またウイルス感染症や小児の感染症ではCRPが正常であったり,高齢者の感染症では白血球数が正常であることも多く,感染症の早期診断時や炎症性疾患の活動性を把握する際には白血球数とCRPを組合せて測定します.

 

今回は白血球とCRPの違いについて考えてみました.

白血球とCRPでは上昇するタイミングが違うこと,白血球は炎症に特異的なマーカーではないといった点がポイントでしょうね.

これらの知識は炎症反応や感染兆候のアセスメントを行ううえで重要ですね.

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