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またまたリハビリの施術時間ごまかしによる診療報酬不正請求が発覚
京都府福知山市の市立福知山市民病院が2021年7月30日に言語聴覚士の男性職員(51)がリハビリの施術時間を偽ってカルテに記載し,約70万円の診療報酬を不正に請求していたと明らかにしました.
正直,またかといった思いとこういった案件が今後も次々に明るみになるのだろうなといった思いを持ちました.
今回はまたまたリハビリの施術時間ごまかしによる診療報酬不正請求が発覚した件について考えてみたいと思います.
ニュースによると
京都府福知山市の市立福知山市民病院は30日,言語聴覚士の男性職員(51)がリハビリの施術時間を偽ってカルテに記載し,約70万円の診療報酬を不正に請求していたと明らかにした.
同病院は職員を停職4カ月の懲戒処分とした.
福知山市民病院によると,職員は2019年8月から1年8カ月間,患者276人の311件のリハビリについて,20分未満の施術にもかかわらず,診療報酬の請求に必要な20分以上と偽って記載した.
院内で指摘があり,昨年5月と今年2月に上司が聞き取りをした際は認めなかったが,防犯カメラに映った入退室時間とカルテの記載時間が合わず,虚偽と判明した.
職員は「記載の誤りがあり反省している」と書面で説明し,辞表を提出したという.
防犯カメラによる記録
今回の不正請求の中でびっくりしたのが病院内の防犯カメラが不正請求の証拠になったといった点です.
最近は医療機関も安全管理のために防犯カメラを設置しているところが多いと思いますが,防犯カメラが決定的な証拠になるというのは,理学療法士・作業療法士も気を付けなくてはいけませんね.
おそらくは内部告発が決め手に
おそらく今回もきっかけは内部告発でしょう.
こういった不正請求って日本全国探せばいくらでもあると思いますので,氷山の一角に過ぎないのではないかと思います.
どこで誰が内部告発してもおかしくありませんので,やはり組織としてはゆとりをもった体制で診療をしなければ,結果的にこういった不正請求を生むことになるでしょう.
ノルマ20単位とか21単位とかいったような過剰なノルマが設定が不正請求を生む原因になる可能性が高いです.
クライアントからの告発も
最近はクライアントがスマホで理学療法や作業療法の時間を測定している場合もあります.
クライアントが記録を開示して,不正請求が発覚するなんてケースもあります.
組織としてはどう対応していたのか?
今回の件で気になるのは,組織としてはどのように対応していたのでしょうか?
不正請求を認識したうえで注意したうえでのこの結果なのか,黙認したうえでの結果なのか,そのあたりも気になりますね.
いずれにしても言語聴覚士は特にベッドサイドでの対応が多いので,なかなか他人の目につきにくいところがありますので実施時間を管理者が把握するのも難しいところがあるでしょうね.
制度転換が必要な時期なのかも
そもそも1単位20分というのが時代に合ってないと思うんですよね.
こういった不正請求が増えればやはり包括化の流れが妥当なのでしょう.
20分連続介入することがプラスになるクライアントばかりではありませんからね…
もちろん不正請求してもよいことにはなりませんが…
今回はまたまたリハビリの施術時間ごまかしによる診療報酬不正請求が発覚した件について考えてみました.
クライアントに時間を記録されても,内部告発されても自信をもって規定時間は実施していると主張できるように時間をきちんと遵守する必要がありますね.
また管理者の立場としてはこういった不正請求が増えないように理学療法士・作業療法士の適正な単位数の設定が必要でしょうね.