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どうしてSpO2のことを「サーチ」なんてかっこつけてよぶ理学療法士・作業療法士が多いの?
理学療法士・作業療法士の皆様はSpO2のことをなんて呼んでますか?
「サーチ」とか,「サット」とか,「サチュレーション」,「Spo2」とかさまざまな呼び方がありますが,明らかに間違った呼び方もありますよね.
特に間違った呼び方が,「サーチ」といった呼び方です.
今回はどうしてSpO2のことを「サーチ」なんてかっこつけてよぶ理学療法士・作業療法士が多いのかについて考えてみたいと思います.
経皮的動脈血酸素飽和度 (SPO2) とは?
まず基本的なところからおさらいです.
そもそもSPO2(経皮的動脈血酸素飽和度) というのは何を意味するものなのでしょうか?
SpO2というのは,血液中にどの程度の酸素が含まれているかを示します.
SpO2 のSはSaturation (飽和), P はpercutaneous (経皮的),O2 酸素を示します.
血液中には酸素を運ぶヘモグロビンがあります.
SpO2 は血液中(動脈)の多くのヘモグロビンの何 %が酸素を運んでいるかを示すものです.
正常値は96 %以上,95 %未満は呼吸不全の疑いがあり,90 %未満は在宅酸素療法の適用となります.
SpO2 はパルスオキシメータという簡易装置を用いて測定します.
サチュレーションとかサットは問題無い?
前述したように
飽和SpO2 のSはSaturation (飽和)を意味するものですから,saturationをサチュレーションと呼ぶのは問題ありませんし,saturationの頭文字をとってsat(サット)と呼ぶのもギリギリセーフだと思います.
サーチって?
ただサーチの場合はどうでしょうか?
Saturationをどうよめば「サーチ」になるのでしょうか?
もしかしたらSaturationのSだということを知らずに,Searchの略称だと勘違いしているのではないでしょうか?
つまり「サーチ」と呼んでいる理学療法士・作業療法士の多くはSpO2のSが何の略称なのか知らない方が多いのではないでしょうか?
少なくとも対外的な学会や研修会で「サーチ」なんて呼んでたら恥ずかしいことこの上ありません.
パルスという略し方も
なかにはSpO2のpをとって,パルスなんて略称を使用される方もいらっしゃいます.
パルスって脈拍のことですよね?
パルス80ですといわれて実はSpO2だったなんて事態が起これば大問題です.
pulseであれば正常ですからね.
そもそもSpO2のpはpercutaneous(経皮的)の略であってpulseの略じゃありませんからね.
ローカルルールで通じれば問題ない?
サーチでもパルスでも病院や施設内で通じれば問題無いと考える方も多いでしょう.
確かにそうかもしれませんが,それはそれで残念な集団ですよね.
また外に出たら恥ずかしいですし,その病院や施設でしか通用しない表現ですので,学会では使わないほうがいいですね.
今回はどうしてSpO2のことを「サーチ」なんてかっこつけてよぶ理学療法士・作業療法士が多いのかについて考えてみました.
間違っても「サーチ」なんて呼んでいたらダメですね.
略称を用いるのであれば「サチュレーション」とか「サット」までが正解ということになるでしょう.