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論文投稿は理学療法士・作業療法士にとって一種の投資である
最近は臨床で働きながら論文投稿をされる理学療法士・作業療法士も増えております.
ただ臨床で働く理学療法士・作業療法士にとって論文投稿ってどこまで意味があるのでしょうか?
実際には論文を投稿するためにはかなりのお金と時間を費やすことになりますので,そこまで時間やお金を費やしてまで論文を書く意義が理解できないといった理学療法士・作業療法士の方々も多いのではないでしょうか?
実は理学療法士・作業療法士にとって論文投稿も一種の投資なんですよね.
今回は論文投稿は理学療法士・作業療法士にとって一種の投資であるといったお話です.
お金と時間の投資が必要
理学療法士・作業療法士が臨床研究を行うには,自分の経済資本や時間の投資が多少必要です.
逆に言えば自分のお金や時間を職業面の文化資本に変換することに一切使いたくない方の場合には,学会発表や論文執筆は難しいでしょうね.
論文を投稿したから学界発表したからといってそれが直接的な対価に結び付くことはありませんので,論文を投稿したり学会発表をしたりというのは将来の自分に対して投資をしていることに他なりません.
ただ理学療法士・作業療法士の中で臨床研究が自分への投資だといった認識で研究に取り組める方が少ないのも実際です.
もちろん臨床研究というのは自分への投資の前に社会への貢献という大きな意味があることも忘れてはなりません.
論文投稿にどのくらいのお金がかかるのか?
実際に論文投稿にはどのくらいのお金がかかるのでしょうか?
国際誌であれば掲載料が必要な場合も多いですし,掲載料が30万をこえるといったものも少なくありません.
加えてフルテキストで英文校正依頼をするとなると,これも数万円の費用が必要となります.
これを個人で負担するとなるとかなり厳しいですよね…
これを社会貢献,自分の将来への投資だと考えられるかどうかです.
論文の補助は全くのゼロ
また学会発表に対しては病院や施設から補助がなされる場合が多いわけですが,一方で論文投稿となると補助が出る病院や施設は少ないのが現状だと思います.
病院にとっては論文よりも学会発表という感が強いですよね.
論文投稿に対して金銭的な補助がある病院や施設というのは大学病院か学術研究によほど力をれている病院くらいでしょうか?
この場合にも医師に対しては補助があって理学療法士・作業療法士には補助がないといったケースもあるので注意が必要です.
そのため論文投稿の場合には,身銭を削って社会貢献ということになりますので,なかなか一歩踏み出せないといった理学療法士・作業療法士が多いのも実際です.
そもそも安月給の理学療法士・作業療法士が身銭を削って社会貢献なんて意識になりにくいですよね.
臨床研究の場合には特にそうです.
大学教員なんかは研究が仕事ですし,研究業績が直接的な対価に結び付きますからね…
どのくらいの時間がかかるの?
臨床研究を論文化するまでに費やす時間というのもかなりのものです.
相当の時間をかけて数頁の論文が完成するというのが実際です.
場合によっては1つの論文に100時間以上を費やすということも少なくないでしょう.
そんなことに時間をかけるくらいなら,直接的な対価につながる副業した方が手っ取り早いと考える理学療法士・作業療法士も多いでしょう.
インプット型学習とアウトプット型学習
実は学会発表とか論文投稿というのは代表的なアウトプット型の自己研鑽の形式です.
理学療法士・作業療法士が自己研鑽するというと書籍を購入したり,研修会に参加したりといったインプット型の自己研鑽を想像される方が多いと思います.
また実際に理学療法士・作業療法士の場合には,圧倒的にインプット型学習に自己投資される方が多数だと思います.
実は学会費や論文執筆費用というのは,インプット型学習に要する投資と同様に考えれば,学会発表や論文投稿は研修会へ参加したり書籍を購入したりするのに費やす費用と同じわけなんですね.
学習の段階で考えても,臨床研究などのアウトプット型学習への投資の方が,インプット型の学習よりも効果的ですので,ある程度インプット型学習をした上でアウトプット型学者へ自己投資をシフトすると成長が加速します.
今回は論文投稿は理学療法士・作業療法士にとって一種の投資であるといったお話でした.
インプット型学習は受け身で学習できるので取り組みやすい側面もありますが,自己研鑽の成果としてはアウトプットが他の学習方式の方が圧倒的に大きいです.
理学療法士・作業療法士の皆様も論文投稿や学会発表をアウトプット型学習の1つとしてとらえ,自己投資されて見てはいかがでしょうか?