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少子高齢化の中で理学療法士・作業療法士・言語聴覚士養成校がまだまだ増える
理学療法士の急増が問題となっておりますが,養成校の増加にはまだまだ歯止めがかからない状況が続いております.
専門学校や私立の大学では定員割れしている養成校も多くなってきておりますが,こんな状況でも養成校の増加はまだまだ続いております.
今回は少子高齢化の中で理学療法士・作業療法士・言語聴覚士養成校がまだまだ増えるといったお話です.
大学の定員充足率
少子高齢化が進むと当然ながら,大学を受験する生徒数も減少します.
実は理学療法士の養成に限ったことではなく大学の数というのは年々増加している状況です.
少子化が進むにも関わらず,大学の定員数が増えているわけですので,当然のごとく収容定員を満たすことができない大学が増えているわけです.
収容定員というのは,大学がその教員組織や校地校舎等の施設などに照らし,受け入れることができる学生の数のことを指します.
この収容定員を満たさない私立大学は約4割~5割と年々増えており,一方で,国からの補助金(特別補助と呼ばれるもの)は,この定員割れをしているほど,配分が手厚いことも問題となっております.
そこで,財政制度等審議会歳出改革部会(財務省にある検討部会)では,今後,定員割れを起こしている大学への補助金の交付について,見直しや厳格化を図ることも検討がなされております.
特に短期大学については,7割もの大学が定員を満たすことができていない状況となっており,今後の大学・短期大学の存続が危ぶまれています.
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士養成校の新設
以下に現在のところ予定されている2022年度に新たに学部や学科が開設される養成校を挙げます.
福島県立医科大学【福島県】
学部・学科新設
保健科学部 理学療法学科/作業療法学科
群馬パース大学【群馬県】
学部・学科新設
リハビリテーション学部 作業療法学科/言語聴覚学科
東京国際大学【埼玉県】
学部・学科新設
医療健康学部 理学療法学科
東京工科大学【東京都】
学科新設
医療保健学部 リハビリテーション学科
専攻新設
医療保健学部 リハビリテーション学科【言語聴覚学専攻】
岐阜保健大学【岐阜県】
学部・学科新設
リハビリテーション学部 理学療法学科/作業療法学科
関西医科大学【大阪府】
学部・学科新設
リハビリテーション学部 理学療法学科/作業療法学科
私立大学がほとんどですが,中には県立大学の開設もあって,この時代に…なんて思ってしまいます.
今回は少子高齢化の中で理学療法士・作業療法士・言語聴覚士養成校がまだまだ増えるといったお話でした.
先日開催されたgeneの無料セミナーの中でも半田元協会長が理学療法士の養成定員に関して言及されました.
日本理学療法士協会として理学療法士の急増に歯止めをかけることは難しいのが現状のようですが,やはり政治力による対策が必要だとおっしゃられておりました.
理学療法士の急増に歯止めをかけないと,理学療法士の質は低下するばかり(何が質かはおいておいて学力の低い入学者が増えることは間違いありません)で,理学療法士の将来というのは決して明るくないでしょう.
定員数の制限に関して何かしらの対策が勧められることが望まれますね.