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2021年6月以降発刊の理学療法関連書籍5選
最近は発刊される理学療法関連の書籍も多いので,把握するのが大変です.
私も月1回は本屋で関連書籍をリサーチしております.
今回は2021年6月以降に発刊の理学療法関連のお勧め書籍を紹介させていただきます.
基礎から学ぶ楽しい学会発表・論文執筆 (第2版)
この書籍は第2版になります.
若手医療関係者や医療系学生に向けて,抄録・スライド・ポスターの作成,投稿雑誌選び,編集委員会とのやりとりなど,学会発表や論文執筆のコツが具体的に解説されております.
私も第1版を読みましたが,数々あるこの手の書籍の中でもとにかくわかりやすく読みやすい一冊です.
初学者向けの書籍といえるでしょう.
第2版になって新たなトピックスも追加されており,大幅リニューアルされておりますのでこれは必見ですね.
臨床論文を批判的吟味するためのMethod Journal clubをやってみよう
雑誌『INTENSIVIST』の好評連載をもとに大幅に加筆,再構成し書籍化された「臨床論文のMethodsを読むMethod」の姉妹書です.
生物統計学の大学院出身で臨床医である著者が,正しい臨床判断をするための知識として必要不可欠な臨床論文の読み方を伝授してくれております.
とくに妥当性を評価する手法「批判的吟味」=Journal clubについての意義と評価すべきポイントが詳述されている点はありがたいですね.
統計学に関する知識も平易な言葉で論文の構造に沿って解説されており,具体的で分かりやすいです.
臨床論文を読むための知識を習得したい理学療法士・作業療法士には必読の一冊となっております.
読み飛ばしがちな「Methods」ですが,ここを掘り下げて学んでいけば,研究デザインや統計手法の理解も進みます.
こんなときどうする!? 整形外科術後リハビリテーションのすすめかた
整形外科領域のリハビリテーションを担うセラピストに馴染みの深い代表的な疾患について,術後のリハビリテーションにスポットを当てた一冊です.
各疾患についての機能解剖学的な知識や手術の方法を含め,術前評価から始まり,退院後のホームエクササイズに至るまで時系列に沿って多角的に解説されております.
また多くの理学療法士・作業療法士が持つ悩みをよくわかっている臨床経験豊富な執筆陣によって,臨床で誰しもが一度は遭遇するであろう“こんなときどうする!?”をピックアップされ,具体的な解決策が提示されております.
この書籍を読めば術後リハビリテーションの臨床場面で起こるどんなイレギュラーにももう慌てずにすみますね.
Twitter界の理学療法士の星,
シータさん
も執筆されているということですからこれは購入必須ですね.
目次を見てみても本当に面白そうですね.
1.術後リハビリテーションに必要な情報収集/評価
2.術後リハビリテーションに必要な画像の知識
3.術後リハビリテーションに必要な麻酔の知識
4.術後リハビリテーションに必要な検査値の知識
5.術後リハビリテーションに必要な疼痛の知識
6.術後リハビリテーションに必要な組織(骨,靱帯)の修復過程の知識
【各論】
1章 脊柱
1.腰部脊柱管狭窄症
2.腰椎椎間板ヘルニア
3.頸椎症性脊髄症(頸髄症)
2章 股関節
1.変形性股関節症
2.大腿骨近位部骨折
3章 膝関節
1.変形性膝関節症
2.膝前十字靭帯損傷
4章 足関節
1.果部骨折
2.アキレス腱断裂
5章 肩関節
1.腱板断裂
2.上腕骨近位端骨折
6章 前腕
1.橈骨遠位端骨折
2.上腕骨顆上骨折
7章 手指
1.腱損傷
理学療法士・作業療法士が関わることの多い整形外科的疾患がずらりです.
理学療法士・作業療法士が直面する「どうする」が取り上げられておりこれは実践場面でも役に立つ書籍となりそうですね.
リハビリテーション専門職のための教育学 現場で役立つ「教える技術」
理学療法士・作業療法士は教育学を基礎から学んだ人ってあまり多くないと思います.
なのに患者教育,臨床実習教育,後輩教育と教育に携わる機会は多いですよね.
教育の専門書にはなかなか手が出ないけどなんか教育の基礎を学びたいなと思っていたあなたにぴったりの一冊が出版されました.
「教育学」は臨床の現場でも役に立ちます.
教育学の専門家がリハビリテーション専門職のために,理論に基づく「教える技術」をやさしく解説してくれており,理学療法士・作業療法士が基礎から教育を考えるうえでは目を通しておきたい一冊ですね.
脳卒中片麻痺の基本動作分析 バイオメカニクスから考える動作パターン分類と治療法の選択
脳卒中片麻痺に対する理学療法って運動器疾患に比較するとバイオメカニクス的な視点が欠如していることが多いと思います.
でも運動器疾患であっても脳卒中片麻痺であってもやはり動きのバイオメカニクスを理解しておくと理学療法士としての引き出しも増えます.
この書籍では脳卒中片麻痺患者の動作分析と治療法について,「寝返り」「起き上がり」「起立」「歩行」等の基本動作がバイオメカニクスの観点から解説されております.
動作分析の視点から提示する評価・治療のフローチャートによって,臨床の場で動作をどのように解釈し,治療につなげるかを具体的に学ぶことができます.
山本澄子先生や石井慎一郎先生も推薦されておりますのでこれは脳卒中診療にあたる理学療法士・作業療法士であれば読んでおきたいですね.
今回は2021年6月以降に発刊の理学療法関連のお勧め書籍を紹介させていただきました.
今月も良書が多く発刊されております.
理学療法士・作業療法士の皆様も書籍を購入して新たな学びに挑戦してみてはいかがでしょうか?