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理学療法士・作業療法士も知っておきたい「御侍史」と「御机下」の読み方と使い方
理学療法士・作業療法士が他院や他施設へ情報提供を行う場合に,情報提供書(サマリー)を作成する機会があると思います.
情報提供書を作成する場合には,先方の理学療法士・作業療法士向けに「御侍史」,「御机下」といった用語を用いることが多いと思います.
しかしながら「御侍史」,「御机下」の正しい使い方を知らない方も多いと思います.
また「御侍史」,「御机下」の読み方を間違って覚えている理学療法士・作業療法士もいたり…
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい「御侍史」と「御机下」の読み方と使い方について解説させていただきます.
「御侍史」の読み方
「御侍史」ってどう読むのが正解でしょうか?
①ごじし
②おんじし
③おんたいし
さあどれが正解でしょうか?
正解は②の「おんじし」です.
「御侍史」とは?「御侍史」の使い方は?
では「御侍史」とはどういった意味を持つのでしょうか?
「御侍史」というのは,「私ごときの理学療法士・作業療法士が先方の理学療法士・作業療法士に直接お手紙を書くなんてめっそうもありませんので,先方の理学療法士・作業療法士の秘書様(=御待史)宛てに,ものを申し上げます」という意味を持ちます.
侍史というのは秘書という意味はわけですね.
もちろん本気で「どうぞ秘書様に」なんてと思っているわけではありませんし,情報提供書は先方の理学療法士・作業療法士に手渡されるわけです.
秘書をつけている理学療法士・作業療法士なんてどっかの社長か大学教授くらいじゃないですか?
つまり「御侍史」というのは自分がへりくだる表現で「自分を下げることで相手を立てたいとき」に使う表現なわけですね.
「御侍史」の場合には,「御待史」と表現される場合もありますが,これは誤りですね.
正しくは「待」ではなく「侍」です.
「御史侍」(おんしじ・侍と史の位置が入れ替わっている)という書き間違いもよく見かけます.
使い方としては,
といった形式で用いられることが多いです.
また先述のように「侍史」は秘書のような役割の方を指しますので,メールの場合は,先方に直接届くことを考えると,御侍史といった表現は不適切だと考えられます.
メールの場合は〇〇様とか〇〇先生で十分でしょうね.
「御机下」の読み方
「御机下」ってどう読むのが正解でしょうか?
①ごきか
②おんきか
③おんきした
さあどれが正解でしょうか?
正解は①の「ごきか」と②の「おんきか」が正しい表現となります.
「御枕下」なんて恥ずかしい間違いも時々見かけますので注意しましょう.
「枕(まくら)」ではなく「机(つくえ)」ですね.
「御机下」とは?「御机下」の使い方は?
「御机下」というのは,直訳すると「直接お渡しするのも恐れ多いものですので,机の下に置かせていただきます」といった表現です.
つまり「机の上に置くほど重要な書類ではございません」という意味となります.
情報提供書なので重要な書類ではないわけはないのですが,「御侍史」と同様にへりくだった表現で「読みたい時にお読みいただければ十分でございます」といった意味を含ませることができます.
のような使い方が一般的です.
御侍史と御机下はどう使い分ければよいの?
御机下と御侍史の違いが気になるところですが,医療業界では明確な使い分けのルールはありません.
どちらを使用するかを指摘する医療職種はかなり稀ですので,医療業界における違いはないと考えても良いのです.
あえて違いを考えるなら以下のような違いでしょうか.
御侍史と御机下の大きな違いは,侍史(秘書)を通しての連絡か,直接個人(直接机の下)に届くのかといった違いです.
秘書がいることが明らかであれば「御侍史」を秘書がいないことが明らかであれば「御机下」を用いるということになります.
理学療法士・作業療法士の場合は,秘書がいる場合は稀でしょうから,御机下を用いれば問題ない場合がほとんどでしょう.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい「御侍史」と「御机下」の読み方と使い方について解説させていただきました.
よく使われる表現ですが,意外と知らない方が多いので,確実におさえておきたいですね.