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理学療法士・作業療法士が「〇〇を一発で治す方法」に騙されていては…
理学療法士・作業療法士界隈でも最近は過剰な広告が多いですよね.
顧客向けの者も多いですが,中には理学療法士・作業療法士を対象としたセミナーの過大広告も多いのも特徴です.
個人的には誰がこんな広告に騙されるのかなんて思ってしまいますが,騙される人は騙されるんですよね.
今回は理学療法士・作業療法士が「〇〇を一発で治す方法」に騙されていてはといったお話です.
専門職であれば
特に過大広告が目立つのがSNS内の広告です.
「膝OAを一発で治す方法」とか「腰痛を一発で治す方法」とかさまざまな広告を目にします.
こういった広告を面白半分で見ている理学療法士・作業療法士が大半ですが,一方でこういった広告を信じ込んでしまう理学療法士・作業療法士も少なくありません.
特に若い経験の浅い理学療法士・作業療法士がこういった過大広告のセミナーでお金を吸い取られている印象があります.
ただこれって専門職であれば自分で気付かないとダメですよね.
一発で治す方法が存在すればガイドラインで標準化されないとおかしい
考えてみてください.
そもそも膝OAを一発で治す方法なるものが存在するのであれば,ガイドラインの中で標準化されていないとおかしいですし,既に世に広まっていないとおかしいですよね?
膝OAに対して年間80,000例以上も人工膝関節全置換術が施行されるわけですが,膝OAを一発で治す方法が存在すれば人工膝関節全置換術なんて必要なくなるわけです.
一発で治す方法なんてないんですよ…
なぜ騙されてしまうのか?
そもそも膝OAにしてもきちんと病態を理解できていれば,○○を一発で治す方法なんて広告に騙されることはないはずです.
病態をきちんと理解すれば,一発で治す方法が存在しないことなんて理解できます.
もちろん一時的に疼痛を緩和させる方法だとか,関節可動域を拡大させる方法なんかは存在するでしょうが,膝OAを一発で治す方法なんて存在しないということは,末期の変形性膝関節症例を担当して苦労した経験がある理学療法士・作業療法士であれば誰もが理解できるところだと思います.
騙される理学療法士・作業療法士ほど病態の理解が浅く,何か簡単に物事を解決しようと短絡的な考えに逃げてしまっている方が多いのでしょう.
クライアントを良くしたいといった一心
もちろん病態の理解が浅いだけではなく,騙される理学療法士・作業療法士ほどクライアントを良くしたいといった思いが強いといったところもあるでしょう.
とりあえず一定の時間サービスを提供して,給料がもらえればいいといった理学療法士・作業療法士が増える中で,クライアントを良くしたいと気持ちが強いのは悪いことではないと思いますが,ただ思いだけではクライアントはよくなりません…
今回は理学療法士・作業療法士が「〇〇を一発で治す方法」に騙されていてはといったお話でした.
過大広告の餌にならないように理学療法士・作業療法士も専門職として適切な情報の選択をしたいものです.