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「リラクゼーション」と「リラクセーション」の違い?
最近は理学療法士・作業療法士が「リラクゼーション」や「リラクセーション」といった言葉を使用することって多いと思います.
そもそも「リラクゼーション」や「リラクセーション」といった言葉が何を意味するのかあいまいだったりしますが,「マッサージ」という言葉を使いたくないがために「リラクゼーション」や「リラクセーション」という用語を頻用されている理学療法士・作業療法士の方も多いと思います.
でも「リラクゼーション」と「リラクセーション」ってどちらが正しいのでしょうか?
「リラクゼーション」と「リラクセーション」
理学療法・作業療法関連の書籍を読んでいると,「リラクゼーション」や「リラクセーション」といった言葉がよく出てきます.
「リラクゼーション」と記載しているものもあれば,「リラクセーション」と記載しているものもあり,一体どちらが正しいのだろうと以前から思っておりました.
「リラクゼーション」・「リラクセーション」の語源は?
「リラクゼーション」・「リラクセーション」の語源は英語のRelaxationです.
「リラクゼーション」・「リラクセーション」はRelaxationのカタカナ表記ですので意味的には一緒なわけです.
それではなぜ「リラクゼーション」・「リラクセーション」の2種類の表記が存在するのでしょうか?
英語の発音的には?
英語の発音記号を見てみるとRelaxationの正しい発音は以下の通りです.
この発音記号から考えると「ゼ」でなく「セ」の方が正しい(というか近い)わけです.
ですので正式には「リラクゼーション」ではなく「リラクセーション」が正しいわけですね.
それではなぜ「リラクセーション」ではなく「リラクゼーション」といった言葉が当たり前のように使用されるようになったのでしょうか?
実はその昔,Relaxationという概念が日本に輸入された時に「リラクゼーション」と表記されてしまったのです.
そのため,それ以来そのまま日本では「リラクゼーション」が定着してしまったわけです.
その後,「リラクゼーション」は間違いで「リラクセーション」が正しいと考える人が増え,「リラクセーション」と表記するようになったのですが,一度広まって浸透してしまった「リラクゼーション」には勝てなかったわけですね.
こうして一般的な日本語としては「リラクゼーション」ですが,心理学などの学術書には「リラクセーション」と記述されるようになったわけです.
「Relaxation」はダブル・スタンダード
上述したように「Relaxation」は「リラクセーション」でも「リラクゼーション」でも正しいということになります.
では国語辞典ではどのように表記されているでしょうか?
三省堂の「新明解国語辞典」を確認してみると「リラクゼーション」で掲載されております.
Yahoo検索で「リラクセーション」で検索すると「リラクゼーションではありませんか?」と出てきます.
さらに,ウィキペディア(Wikipedia)では「リラクゼーション」が見出し語になっていて,以下のような説明がなされております.
リラクセーション(英:relaxation ) とは,緊張を緩めること,精神的平衡を取り戻すこと,くつろぎ,息抜きなどを意味する英語である.
セに濁音のあるリラクゼーションはいわゆる和製英語である.
つまり,英語では「リラクセーション」だけど日本語では「リラクゼーション」という和製英語が一般的に使われるようになったわけですね.
今回は「リラクゼーション」と「リラクセーション」のどちらも間違いではないといったお話でした.
「リラクゼーション」と聞いて,正しくは「リラクセーション」だろと指摘をされた経験のある理学療法士・作業療法士もいらっしゃるかもしれませんが,今回の内容からすると「リラクセーション」でも「リラクゼーション」でも誤りではなさそうですね.
以上,どうでもよい「リラクセーション」と「リラクゼーション」に関するお話でした.