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理学療法士・作業療法士も知っておきたいEditor kick(エディターキック)
理学療法士・作業療法士が論文を投稿したらたった1週間で査読を受けることもなく投稿論文が戻ってきた…
皆様はこんな経験ありませんか?
いわゆるEditor kick(エディターキック)ってやつですね.
せっかく何時間もかけて完成した論文がEditor kick(エディターキック)されたら泣くしかありませんよね.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたいEditor kick(エディターキック)について考えてみたいと思います.
論文査読の流れとEditor kick(エディターキック)
まず一般的な論文査読の流れについて整理したいと思います.
通常,投稿された論文原稿はエディター呼ばれるその原稿の担当者に送られます.
一般的には編集長(Editor in chief)がテーマや専門性に基づいて複数人いる編集委員の中から担当となる編集者Associated editorに論文の振り分けを行います.
振り分けられた編集委員はその原稿が審査に値するかを判断します.
審査に値すれば査読委員へ査読を依頼しますが,この時点で考慮に値しないと判断された論文はそこでReject(掲載拒否)されることになります.
これがいわゆるEditor kick(エディターキック)ですね.
日本理学療法士協会の発刊する理学療法学の一番裏のページを見てみると編集委員と査読委員が掲載されております.
このように多くに雑誌では巻末に編集委員と査読委員が掲載されていることが多いので,どんな人がeditor kickを判断したのかも専門分野を考えれば見当がつくかもしれません.
ちなみに理学療法学の場合にはEditor kick(エディターキック)はありませんが…
なぜEditor kick(エディターキック)される?
論文を投稿する理学療法士・作業療法士として重要なのはなぜ投稿した論文がEditor kick(エディターキック)を受けるのかといった点です.
まず多いのが投稿論文がジャーナルの基準から明らかに逸脱しているケースです.
例えば文字数がオーバーしているとか,文献の記述方法が投稿規定に従っていないとかそんなケースですね.
さらに論文テーマが雑誌が示す方向性や読者の興味に合うっていないという場合もあります.
特に論文テーマが雑誌が示す方向性とマッチしていないという場合には,別の雑誌に投稿するとすんなりアクセプトされるなんて場合もありますので,一度Editor kick(エディターキック)を受けたら,投稿する雑誌について熟考することが重要となります.
Editor kickではなくdesk rejectが正式?
Editor kick(エディターキック)という言葉が一般的に用いられておりますが,実はdesk rejectが正式のようです.
手続き上の掲載拒否という意味でadministrative rejectと呼ばれることもありますが,これからはEditor kick(エディターキック)よりもdesk rejectという用語が一般的になりそうです.
Editor kickは悲しいが
せっかく何時間もかけて投稿した論文がEditor kick(エディターキック)を受けるというのは悲しいですが,実はハイインパクトな学術雑誌になると半数以上の論文がEditor kick(エディターキック)を受けるといったデータもあります.
論文の査読というのはボランティアで行われておりますので,全ての論文を査読するということになると査読者の労力も莫大なものとなります.
そう考えると審査する論文をしぼる意味でEditor kick(エディターキック)というのは必要な作業なわけです.
自分ごととなるとこんな考えには行きつきませんが…
協会誌理学療法学にはEditor kick(エディターキック)がない?
ご存じの方も多いと思いますが,日本理学療法士協会が発刊する理学療法学には実はEditor kick(エディターキック)がありません.
つまりどんな論文であれ査読コメントが得られます.
査読コメントが得られれば次の論文投稿にも生かすことができますし,査読委員の先生の貴重な査読を無料で受けることができるわけです.
これは非常にありがたいですよね.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたいEditor kick(エディターキック)について考えてみました.
Editor kick(エディターキック)は悲しいですが,まずはEditor kick(エディターキック)のない理学療法学へ論文を投稿するというのは論文の質を評価してもらうにあたっても非常に良さそうですね.
無料ですしね.
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