新刊 軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーションは運動期リハビリテーションに携わる理学療法士・作業療法士にはかなりお勧め

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目次

新刊 軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーションは運動期リハビリテーションに携わる理学療法士・作業療法士にはかなりお勧め

理学療法士・作業療法士関連の書籍も最近は疾患別や部位別というものが多いですね.

理学療法マネジメントシリーズなんかはかなり売れましたし,疾患別・部位別って確かに理解しやすいかもしれません.

ただ理学療法士・作業療法士であれば組織別に後療法を考える視点というのも重要だと思います.

そもそも同じ足関節周囲の外傷でも靭帯損傷とアキレス腱損傷では後療法の考え方も全く異なるものとなります.

今回ご紹介する書籍「軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション」は軟部組織へのアプローチを行う理学療法士・作業療法士にとっては必読でしょうね.

 

 

 

 

 

 

 

 

「軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション」の特徴①

まずこの書籍の特徴ですが,軟部組織ごとに,軟部組織損傷・障害の病態と回復過程,理学療法評価,運動療法,ケーススタディが記載されております.

私が最も重要だと感じるのは軟部組織の回復過程に関する理解です.

この書籍では腱,筋,靱帯,滑液包,皮膚と軟部組織ごとに回復過程が記されており,まずは理学療法士・作業療法士はここを理解することが重要だと思います.

回復過程に関する理解が浅いと医師ともまともに議論できませんし,整形外科医師が出す後療法の指示についても,その真の意味を理解することは難しいでしょう.

最新のエビデンスに基づいた評価法やプロトコル,判断基準も解説されておりますので,所属する医療機関におけるプロトコルと比較してみることも可能でしょう.

さらに治癒過程に対して好影響と悪影響を与える因子が具体的に何であるかについて解説されているのは嬉しいですね.

やはり軟部組織損傷後の理学療法・作業療法では適切な運動負荷を見定めたうえで組織の治癒を促進しつつ,組織の機能を高めるといった視点が重要ですので,治癒過程にどういった要因がプラスになって,どういった要因がマイナスになるのかを理解しておくことは重要です.

 

 

 

 

 

 

 

「軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション」の特徴②

この書籍とにかくボリュームがすごいです.

最近の理学療法士・作業療法士向けの疾患別・部位別の書籍の多くが300ページ前後の構成ということが多いのですが,この書籍はなんと600ページ越えです.

1冊で2冊分のボリュームがあります.

手元においておけば,辞書のようにして使うこともできるでしょうね.

過去にもここまで詳細に筋,腱,靱帯などの軟部組織について,体系的に解説された書籍はありません.

また最近流行の筋膜や皮膚,そして滑液包・骨膜・関節唇・半月板とありとあらゆる軟部組織に関しての内容が含まれており,本当に痒い所に手が届く1冊となっております.

昔の理学療法士・作業療法士向けの書籍といえば広く浅くといった書籍が多かったですね.

養成校で使用される教科書なんかも広く浅くが基本ですよね.

最近は疾患別・部位別と狭く深くといった書籍が多かったわけですが,この600ページから構成されるこの書籍は,これまで多くの理学療法士・作業療法士が求めていた広く深くを実現した書籍だと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

「軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション」の特徴③

またこの書籍のすごいのは非常に多くの文献に基づいて解説がなされている点です.

実に文献だけで49ページにもわたっており,経験や勘に基づく情報だけで執筆された書籍ではないことがわかります.

文献の孫引きにも役立つこと間違いなしの1冊ですね.

 

 

 

 

 

 

 

「軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション」の特徴④

またこの書籍ではケーススタディが充実しているのもありがたいですね.

理学療法士・作業療法士向けの書籍でよくあるのが,概論的なところで終わっている書籍です.

臨床で勤務する理学療法士・作業療法士にとっては症例提示が最もイメージがしやすいですから,これはとてもありがたいですね.

軟部組織ごとにケーススタディが掲載されており,特に臨床の第一線で活躍する理学療法士の視点をケーススタディから学ぶことができるのは非常にうれしいところです.

 

 

 

 

 

 

 

 

「軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション」の構成

「軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション」の構成ですが以下のような構成となっております.

 

Ⅰ 総論

軟部組織損傷・障害のリハビリテーションの考え方   小林 匠・窪田智史

 

Ⅱ 腱

1 基礎科学  窪田智史

2 病態と回復過程  窪田智史

3 腱障害の評価・治療  窪田智史

4-1 ケーススタディ(1) 膝蓋腱障害  窪田智史

4-2 ケーススタディ(2) アキレス腱症  佐竹勇人・三又淳生

4-3 ケーススタディ(3) 足底腱膜症  小林佑介

 

Ⅲ 靱帯・関節包

1 基礎科学  飯田尚哉・小林 匠

2 病態と回復過程  飯田尚哉・小林 匠

3 靱帯障害の評価・治療-関節外靱帯を中心に-   越野裕太

4-1 ケーススタディ(1) 肘内側側副靱帯損傷  坂田 淳

4-2 ケーススタディ(2) 膝内側側副靱帯損傷  秋吉直樹

 

Ⅳ 筋

1 基礎科学  永野康治

2 病態と回復過程  永野康治

3-1 肉ばなれの評価・治療-ハムストリングを中心に-    堤 省吾・松田匠生

3-2 腱板断裂の評価・治療  戸田 創

4-1 ケーススタディ(1) ハムストリングス肉ばなれ   堤 省吾・松田匠生

4-2 ケーススタディ(2) 腱板断裂-保存療法-  伊藤 雄

 

Ⅴ 半月板・関節唇

1 基礎科学  坂 雅之

2 病態と回復過程  坂 雅之

3-1 関節唇損傷の評価・治療  穐山大輝・村田健一朗

3-2 半月板損傷の評価・治療  石田知也

4 ケーススタディ 半月板損傷-保存療法-   三上兼太朗・石田知也

 

Ⅵ 滑液包・骨膜

1 基礎科学  榊 善成

2 病態と回復過程  榊 善成

3-1 滑液包障害の評価・治療  阿久澤 弘

3-2 骨膜障害の評価・治療  伊藤 渉・小林 匠

4 ケーススタディ シンスプリント  奥貫拓実・熊井 司

 

Ⅶ 軟骨

1 基礎科学  生田 太・高橋謙治

2 病態と回復過程  生田 太・高橋謙治

3 軟骨損傷の評価・治療  矢口春木・石川博明

4 ケーススタディ 肘離断性骨軟骨炎  石川博明

 

Ⅷ 筋膜

1 基礎科学  須賀康平・小林 匠

2 病態と回復過程  須賀康平・小林 匠

 

Ⅸ 皮膚・皮下組織

1 基礎科学  村田健一朗

2 病態と回復過程  村田健一朗

 

今回は新刊書籍「軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション」をご紹介させていただきました.

軟部組織へのアプローチを行う理学療法士・作業療法士にとっては必読の一冊となりそうですね.

発売から数週でランキング1位を獲得しており,多くの理学療法士・作業療法士が手に取って読まれているだけに,乗り遅れないようにしたいですね.

 

 

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