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患者?クライアント?クランケ?ケース?症例?どう呼べばいい?
理学療法士・作業療法士の皆様はクライアントのことをどう呼んでいますか?
もちろん場面や相手によって呼称の方法を変えながら日々仕事をされていることと思います.
今回は患者?クライアント?クランケ?ケース?症例?どう呼べばいいのかについて考えてみたいと思います.
患者が,患者さんが,患者様が
まず理学療法士・作業療法士がクライアントを呼称する場合に多いのが,「患者」,「患者さん」,「患者様」といった故障の方法ではないでしょうか?
患者なんて呼ぶとなんか上から目線で偉そうな感じがしてしまいますね.
かといって患者様なんて呼ぶと,なんとなく仰々しい感じがしますよね.
以前にもこのブログの中で患者呼称に関しては紹介させていただきましたが,実際のところは「患者さん」が最も多いのではないでしょうか?
ptとPT
また「患者」を表現する略称の中に「pt」といった略称があります.
診療録の記載の際に「患者」の意味で「pt」と記載をされる方も多いでしょう.
ただ「pt」っていうとphysical therapistと混同してしまいそうですよね?
一般的には理学療法士を表すphysical therapistは「PT」と大文字で表し,患者(patient)を「pt」と小文字で表記します.
いずれにしても,省略用語は誤解の元なので賢明でしょうね.
特に理学療法士・作業療法士の場合には理学療法士の意味で使用する「PT」と患者の意味で使用する「pt」が紛らわしいので自己の原因にもなりそうですね.
クライアント
クライアントという言葉もよく耳にしますが,「患者」と「クライアント」というのは何が違うのでしょうか?
「患者」と「クライアント」ではそもそも語源も意味も異なります.
前者が疾病に罹患している人を示すのに対し,後者はサービスを求める消費者を表します.
また医療従事者が,受療者を「クライアント」,つまり「医療サービスの消費者」として接する場合でも一長一短があります.
また英語におけるpatientは各種疾病に限らず「受難にあった者」という意味合いが強く,そこまで受難とは言えない場合にもpatientと使用するのは少し違和感があります.
また昔は「クランケ」なんてドイツ語もよく用いられておりましたね.
近年の日本では英語のペイシェント(patient)が定着しておりますが,年配の医師でクランケ(Kranke)なんて表現を用いる方もいらっしゃると思います.
ケース・症例
学会や研修会では「患者」とか「クライアント」といった表現が用いられることは少ないですよね.
「ケース」とか「症例」といった表現が多いでしょうね.
シングルケースデザイン,ケースコントロール研究といったように研究デザインに関する用語の中にも「ケース(症例)」という言葉が用いられております.
今回は患者?クライアント?クランケ?ケース?症例?どう呼べばいいのかについて考えてみました.
おそらく正解というのは存在しませんが,場面に応じた適切な呼称の方法を用いることが重要だと思います.
理学療法士・作業療法士の皆様も使用機会の多いクライアントの呼称に関して改めて考えてみると良いですね.
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