臨床研究で難しいのは研究デザインでも統計解析でもなく周囲の協力

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臨床研究で難しいのは研究デザインでも統計解析でもなく周囲の協力

最近は臨床研究に取り組む理学療法士・作業療法士も増えております.

臨床研究を行う上では研究デザインに関する知識や統計解析に関する知識,研究倫理に関する知識などさまざまな知識が必要です.

これらを学ぶには時間がかかるわけです.

初学者からすればこれらの研究に関連した知識を学ぶことが研究の大きなハードルになっていることもあるようですが,臨床研究で難しいのは研究デザインでも統計解析ではありません.

実は最も難しいのはデータ収集や研究遂行における周囲のスタッフの協力なのです.

今回は臨床研究で難しいのは研究デザインでも統計解析でもなく周囲の協力であるといったお話です.

person holding pencil near laptop computer

 

 

 

 

 

 

 

データ収集は1人では難しい

臨床研究を行う上ではデータを収集する必要があります.

ただこのデータ収集が非常に大変です.

臨床研究に取り組んでいる多くの施設では複数の理学療法士や作業療法士が協力し合ってデータ収集を行うわけですが,場合によってはデータ収集に協力が得られない場合も多いでしょう.

特殊な評価を1つ増やすだけでも大反発をくらったり,几帳面にデータを収集してもらうのってかなり骨が折れます.

ましてや特殊な機器を用いた時間のかかる評価なんかだとまず協力してもらうのが難しかったりします.

場合によっては人間関係を悪化させてしまうこともあります.

 

 

 

 

 

 

 

 

評価内容をルーチン化

データ収集を容易にするためには疾患毎に必要な評価を盛り込んだ評価用紙を作成するのが第一歩となります.

この疾患を担当する時には,必ずこの時期にこの評価用紙を用いて評価を行ってくださいといった周知ができれば,自然にデータが収集できるわけですね.

ただ実際には,データを取り忘れたとか,データは取ったけど用紙をなくしたとか,なかなかきっちりとデータを収集することは難しかったりします.

 

 

 

 

 

 

 

報酬的なインセンティブが無い状況で

研究に関して全く興味の無い理学療法士・作業療法士からすれば,クライアントへの対応で多忙な中で余計な仕事を増やしたくないといった考えの方が多いでしょう.

データ収集に協力しても研究に興味ある理学療法士・作業療法士だけが得をするだけだなんて考え方をされる方も多いですね.

もちろん収集されたデータを統合し,報告もきちんと行われるわけですが,そんなしょうもないことに時間を費やすのであれば早く帰りたいといった理学療法士・作業療法士が多いのも実際でしょう.

臨床研究を行っても報酬的なインセンティブが発生するわけではありませんので,管理者がよほど臨床研究に関して前向きな場合を除いては,リハビリテーション部門内で積極的に研究活動を推進していくという話にはなりにくいわけです.

特にワークライフバランスが叫ばれるこの時代ですから,ますます難しくなっていく状況です.

 

 

 

 

 

 

 

研究を行いたいのであれば既に行っている病院への就職を

臨床研究を行うことが根付いていない医療機関や施設で一から風土を築き上げていくのは非常に大変です.

よほどのカリスマ性や力がないと難しいでしょうね.

一方で既に臨床研究が業務として当たり前に組み込まれているような施設では,データ収集に関するスタッフの抵抗も少ないので,臨床研究を行うハードルはあまり高くないと考えられます.

そのため研究を行いたいのであれば既に行っている病院への就職するのが手っ取り早いということになります.

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大学病院へ勤務する理学療法士・作業療法士ってなんか憧れますよね. かつては大学病院に勤務する理学療法士・作業療法士というのは1000床規模の大病院でも5人といったような病院が多く,就職したくてもなかなか就職できなかったわけですが,独立行政法人化してからというもの大学病院で勤務する理学療法士・作業療法士も増えてきております.

今回は臨床研究で難しいのは研究デザインでも統計解析でもなく周囲の協力であるといったお話でした.

最近は研究にしても統計にしても書籍もわかりやすいものが多く出版されておりますし,オンラインでもさまざまな情報を得ることができますので,研究デザインや統計解析で苦労するというよりは,データ収集で苦労される方の方が多いのでしょうね.

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