理学療法士の実習指導者は一読の価値あり 臨床実習教育の手引き第6版が発行される

臨床実習・国家試験
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目次

理学療法士の実習指導者は一読の価値あり 臨床実習教育の手引き第6版が発行される

昨年末に日本理学療法士協会から「臨床実習教育の手引き(第6版)」が発行されました.

私もようやく一読いたしましたが,この手引きは養成施設教員や実習指導者に加え,実習に臨む学生やその保護者等も対象としているため,とても分かりやすい内容となっております.

今回は臨床実習教育の手引き第6版についてご紹介させていただきます.

closeup photo of book pages

 

 

 

 

 

 

 

臨床実習教育の手引き第6版の内容は?

以下が臨床実習教育の手引き第6版の内容です.

 

第1章 臨床実習の意義と教育目標

第1節 臨床実習の意義

1)現代の若者の特徴

2)実習指導者の要件

3)カリキュラムとしての臨床実習の存在

第2節 臨床実習の構成

1)見学実習

2)評価実習

3)総合臨床実習

4)通所リハビリテーション又は訪問リハビリテーションに関する実習

第3節 指定規則にみる臨床実習教育の目標

1)教育目標について

2)教育の一般目標と行動目標

第2章 診療参加型臨床実習における違法性の阻却と理学療法行為の相当性

第1節 診療参加型臨床実習で実習生が行う理学療法行為の法的位置づけ

1)違法性の阻却

2)臨床実習の目的の正当性と行為の相当性

第2節 実習生が実施できる理学療法行為の範囲とその水準

1)水準の定義

2)実習生が実施できる理学療法行為の範囲とその水準

3)対象者の状態による水準の変更

4)水準と診療参加型臨床実習の教育目標との関係

第3章 診療参加型臨床実習に必要な手続きおよび留意事項

第1節 施設との契約と届け出

第2節 抗体検査、予防接種等について

1)B型肝炎ワクチン

2)麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘ワクチン

3)インフルエンザワクチン

4)新型コロナウイルス(COVID-19)

【コラム】新型コロナウイルス感染拡大予防と臨床実習

第3節 個人情報保護(個人情報の取り扱い、誓約書の作成)

第4節 実習生による診療録記載と文章作成

1)学生による診療録記載

2)電子カルテについて

第5節 実習に対する対象者等からの同意

1)包括同意

2)個別同意

3)同意撤回

4)事故発生時の対応

第6節 ハラスメントの防止

1)パワーハラスメント

2)アカデミックハラスメント

3)セクシャルハラスメント

4)ハラスメントの判断基準の違い

5)ハラスメントの防止

6)ハラスメントに対し講ずべき対応

7)ハラスメント被害にあった場合の対応

【コラム】学生の自殺防止のために

第4章 臨床実習の評価

第1節 養成施設のカリキュラムに対する評価

第2節 実習指導者に対する評価

第3節 実習生に対する評価

1)総合臨床実習前の評価(診断的評価)

2)総合臨床実習中の評価(形成的評価)

3)総合臨床実習後の評価(総括的評価)

第5章 卒業時に身に付けておくべき能力

第1節 理学療法士に求められる能力 ┈

第2節 卒前教育と卒後教育の教育目標の関連

第6章 理学療法士教育における診療参加型臨床実習のかたち(実践例の紹介)

第1節 臨床実習施設における臨床実習プログラムの立案

第2節 実習指導実践例(診療参加型臨床実習での指導ポイント)

1)急性期病院での評価実習(4週間)の具体例

2)急性期病院での総合臨床実習の具体例

3)急性期施設における総合臨床実習

4)回復期における評価実習指導の具体例

5)回復期〜生活期における総合臨床実習指導の具体例

6)診療参加型実習の成功体験から得られたこと

7)生活期(訪問リハビリテーション)における理学療法実習教育

8)通所リハビリテーション又は訪問リハビリテーションに関する実習

 

 

 

 

 

 

 

 

時代に合った臨床実習の手引き

まず目を引くのがコラムとして「新型コロナウイルス感染拡大予防と臨床実習」といった記事が掲載されている点です.

まだまだコロナ禍が続きそうですので,ウィズコロナ時代の実習のあり方を考える上では,時代に合った内容がきちんと含まれているなといった印象です.

また学生の自殺防止のためにといったコラムもあり,昨今の理学療法士の臨床実習における問題を考慮したうえでの内容となっております.

さらにこの臨床実習の手引きですが,臨床実習指導者講習会の内容とかなりマッチした内容となっております.

作成版のメンバーを見ても,臨床実習指導者講習会の講師や資料作成を務められたメンバーが多いのが特徴です.

臨床実習指導者講習会の内容と手引きの内容が乖離していては問題ですので,これは非常にありがたいですね.

個人的には臨床実習指導者講習会に参加する前にこの手引きを読んでから参加すると,講習会も有意義な時間を過ごせる気がします.

 

 

 

 

 

 

 

 

用語の使い方についても明記

また特徴的なのは,用語の使い方に関しても明記されている点です.

これらはいずれも理学療法士作業療法士養成施設指導ガイドラインに則したものとなっております.

スーパーバイザー,ケースバイザー,バイザーといった用語は用いないことが明記されております.

バイザーは臨床実習指導者もしくは臨床実習教育者(clinical educator)と表現するのが正しいようです.

さらにクリニカルクラークシップ(CCS)といった用語に関しても診療参加型といった用語で統一されております.

用語も使い方もこの手引きに則ったものを使用するのが良さそうですね.

 

 

 

 

 

 

 

様々な書式の例示

この手引きではさまざまな書式が例示されております.

誓約書,同意書,同意撤回書,チェックリスト等,実習指導者が新たな書式を作成するうえで参考になるものも多いので,書式作成の際には役に立ちそうですね.

 

 

 

 

 

 

無料なのがありがたい

さらにこの臨床実習教育の手引き(第6版)ですが無料です.

第5版は1000円ではなかったかと思いますので,無料でダウンロードすればすぐ読めるというのはありがたいですね.

 

今回は臨床実習教育の手引き第6版についてご紹介させていただきました.

臨床実習に携わる理学療法士の方は必ずご一読ください.

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