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ベッドサイドでリハビリ後にクライアントに一声かけてみよう
理学療法士・作業療法士であれば,ベッド上安静の方やまだ独りではベッドから起き上がることが難しいクライアントに関わる機会は多いと思います.
ベッドの上で全く動けないのって本当に苦しいですよね.
またクライアントは「こうしたい」と思っても看護師や介護士に遠慮して,頼みたいことを頼めないといった場合も多いでしょう.
われわれ理学療法士・作業療法士のベッドサイドでの関わりの時間というのはあまり長くないわけですが,ベッドサイドでのリハビリが終わった後の声掛けってけっこう重要だと思います.
今回はベッドサイドでリハビリ後にクライアントに一声かけてみようといったお話です.
大丈夫ですか?何か用事はありませんか?
ベッドサイドでの理学療法・作業療法の後に効果的な声掛けがこれです.
「大丈夫ですか?何か用事はありませんか?」
こういうふうに尋ねるとクライアントはさまざまな依頼をしてきます.
実はテレビのリモコンがを落としてしまってて取ってほしいんですとか,のどが渇いたのでお茶を飲ませてほしいんですがとか,携帯電話の充電が無くなりそうなので充電をしてほしいんですとかそういった依頼です.
理学療法士・作業療法士の仕事ではないと言ってしまえばそれまでですが,これってクライアントとの人間関係を築くためには非常に有効です.
特にまだ独りでは動けない方や,安静のために離床が制限されているような場合にはちょっとした声掛けが有効です.
看護師への遠慮
特に医療機関の看護師ってピリピリしていることが多いので,クライアントからするとナースコールで看護師を呼んで,テレビのリモコンを取ってもらうなんて恐れ多くてできないとか,忙しいのに申し訳ないなんて考える人が多いんですよね.
特に高齢者になるとこういった方が多いです.
ただこうしたいと思っているのにできないのって非常にストレスですよね.
せっかく理学療法士・作業療法士がベッドサイドにいるんですから,1分くらいそのクライアントのために時間を無駄にしたって,それで信頼関係が築けるなら有効だと思います.
小さなニーズにも応えて大きな信頼
ベッドサイドでの関わりって時間的にも短いことが多いですし,信頼を築くのが難しかったりします.
ただ「大丈夫ですか?何か用事はありませんか?」といった声掛けによって,クライアントは「この人を頼っていいんだ」と感じるようになりますので,声掛けを継続していくと,「申し訳ないんですけど○○してくれませんか?」なんてリハビリ終了後に依頼されることも増えてきます.
依頼されることって数秒で終わるようなことがほとんどですので,こういった小さなニーズに応えることで大きな信頼が得られるのであればこれは有効ですよね.
ベッドサイドでのリハビリの期間にクライアントとの信頼関係が築ければ,離床が始まってからのリハビリの進行も円滑になりますからね.
もちろん理学療法士・作業療法士では対応できないことも
「大丈夫ですか?何か用事はありませんか?」と声をかけると,理学療法士・作業療法士では対応できないことを依頼される場合もあります.
薬を持ってきてほしいとか,オムツ交換をしてほしいとか,こういった依頼の場合には当然ながら理学療法士・作業療法士では対応できません.
そういった場合には,「わかりました.看護師さんに伝えておきましょうね」とクライアントの代わりに看護師に伝えてあげられると良いですね.
ナースコールを押せない遠慮がちの方にとっては,自分に意思を代弁してもらえたことに感謝される方が多いです.
今回はベッドサイドでリハビリ後にクライアントに一声かけてみようといったお話でした.
ちょっとしたことですが,これまで意識してやったことが無かった理学療法士・作業療法士の方々はぜひ試してみてください.
少しだけ時間は取られますが,クライアントと良好な人間関係を築くことにつながると思います.
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