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2020年12月以降発刊の理学療法関連書籍6選
最近は発刊される理学療法関連の書籍も多いので,把握するのが大変です.
私も月1回は本屋で関連書籍をリサーチしております.
今回は2020年12月以降に発刊の理学療法関連のお勧め書籍を紹介させていただきます.
EZRでやさしく学ぶ統計学 第3版
無料統計ソフトEZRの生みの親である神田先生の書籍がEZR公式マニュアル最新版として発売されました.
第2版刊行以降のバージョンアップ等を踏まえ,約5年ぶりに全面改訂されております.
傾向スコア解析に関連したキャリパーマッチング機能,逆確率重み付け(IPTW)機能が加わり,そのほかにもRestricted mean survival time、Simon & Makuchプロット,線形混合モデル,多項ロジスティック回帰,比例オッズロジスティック回帰,時間依存性変数を含む累積発生率に対する多変量解析,ネットワークメタアナリシスなど新たに追加された解析についても第3版では詳しく解説されております.
運動器障害理学療法学
メジカルビュー社が発行するCrosslink理学療法学テキストの運動器障害版がついに発刊されます.
理学療法士が臨床で多く遭遇する身体各部位の運動器疾患について,運動学や機能解剖学に基づき,概要から理学療法プログラムまで多数の図版を用いて詳しく解説。されております.
編集も加藤浩先生だけあってとても充実した内容となっております.
学校の授業の教科書としても使用されることが増えそうな1冊で,新人理学療法士の方でまずは運動器疾患の理学療法の基礎をおさえたいといった方にお勧めの1冊です.
運動のつながりから導く姿勢と歩行の理学療法
「運動のつながり」に着目し,様々な部位・アプローチ方法から「姿勢と歩行」の評価や介入プログラムを紹介されております.
実際の症例を動画で分かりやすく解説されております.
不良姿勢や歩行異常の原因は様々であり,外見上は同じ姿勢,歩容であってもその原因は同じとは限りません.
本質的な原因を探し出して結果の出る理学療法を行うためには,様々な部位(関節)から診た姿勢や歩行を考える必要があります.
この書籍では「運動のつながり」に着目し,様々な部位・アプローチ方法を通した「姿勢と歩行」の捉え方や評価,介入プログラムを存分に紹介されております.
動画付きというのが何よりもうれしいですね.
千葉慎一子の先生が監修を務められておりますが,このシリーズは肩の理学療法がとても分かりやすい内容であっただけに今作もとても充実した内容となっております.
臨床実践 スポーツ傷害膝の理学療法
好評の臨床実践シリーズの第5弾です.
スポーツによる膝の外傷・障害に対する敏腕理学療法士の技術とコツを12テーマに分けて解説されております.
前半では,触診による機能解剖や機能評価,疾患の特徴や病態,外科的治療について紹介されており,後半では,外科的治療前後での介入や障害発生のメカニズム,運動連鎖を応用したアプローチについて解説がなされております.
また,競技レベルでの復帰を導く手法,再発予防のための取り組みについても掲載されております.
膝靭帯損傷や半月板損傷などのスポーツ障害を担当する機会の多い理学療法士にとっては必見の一冊となりそうですね.
臨床にいかす表面筋電図 [Web動画付] セラピストのための動作分析手法
理学療法士で筋電図と言えば加藤浩先生ですよね.
筋電図の結果って学会や論文で見ていてもどう解釈すればよいのかわかりにくいところがありますが,この書籍で動作との関連付けや筋電図から得られる値の意味を学べば,筋電図結果を正しく読み取ることができるようになりそうですね.
表面筋電図の計測と得られたデータの評価がわかりやすくまとめられており,実践的な筋力トレーニング,論文や学会発表にいかすプレゼンテーションのコツが理解できる一冊です.
リハビリテーション管理学 <PT・OTビジュアルテキスト>
理学療法士・作業療法士が勤務する組織と関連法規,職業倫理,リスク管理,病院における管理・運営,介護保険関連施設における管理・運営,卒前教育における管理・運営までカバーされており非常にわかりやすい内容となっております.
PTもOTも使える教科書として発刊されておりますが,新人理学療法士や学生にはなじみのない管理を図表でわかりやすく,経験者の実例で理解が深まります.
病院,介護保険関連施設はもちろん,教育現場,企業での管理まで網羅.現場でも役立てられる一冊となっております.
今回は2020年12月以降に発刊の理学療法関連のお勧め書籍を紹介させていただきました.
今月も良い書籍がたくさん出てますので皆様も購入を検討してみてください.
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