関節が曲がらないから曲げる練習をする,立てないから立つ練習をするのであれば理学療法士・作業療法士でなくても素人でもできる

運動療法・物理療法
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関節が曲がらないから曲げる練習をする,立てないから立つ練習をするのであれば理学療法士・作業療法士でなくても素人でもできる

私が臨床実習生の頃の指導者にこんな指導者がいました.

理学療法なんて単純だ,関節が曲がらなければ曲げればいいし,歩けなければ歩く練習をすればいい,複雑に考えなくても簡単だといった考え方です.

学生ながらこの考え方に違和感を持ったのを今でも覚えております.

今回は関節が曲がらないから曲げる練習をする,立てないから立つ練習をするのであれば理学療法士・作業療法士でなくても素人でもできるといったお話です.

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原因を考えてアプローチすることの重要性

われわれ理学療法士・作業療法士は養成課程の中で生理学・運動学・解剖学といった学問をしつこいほどにたたきこまれました.

例えば立ち上がりができないクライアントを想定してみます.

立ち上がりができないクライアントに繰り返し立ち上がり練習を行ってもらうと,確かに筋力低下が原因であれば繰り返していれば可能になるかもしれません.

しかしながら膝関節痛が原因でうまく立ち上がれないとか,股関節屈曲可動域制限や足関節背屈可動域制限が原因で立ち上がれないとか,アライメント不良で立ち上がりがうまくいかないといったような場合には,いくら繰り返して立ち上がり練習を行っていても永遠に円滑な立ち上がり動作が行えるようにはならないでしょうね.

 

 

 

 

 

 

 

 

繰り返していたらよくなるクライアントも存在する

確かに繰り返していたら良くなるクライアントも存在します.

これはいわゆるイージーケースの場合です.

ただ理学療法士・作業療法士であれば繰り返していても良くならないクライアントに対してどのようにアプローチするかが重要です.

関節が曲がらないから曲げる練習をする,立てないから立つ練習をするのであれば理学療法士・作業療法士でなくても素人でもできますよね?

生理学・運動学・解剖学なんて必要ありませんし,何も知らない中学生でもできるかもしれません.

 

 

 

 

 

 

 

予測をしてからアプローチすることの重要性

また予測ができるのも理学療法士・作業療法士だからこそです.

本当に曲げる運動を繰り返していたら曲がるようになるのでしょうか?

End feelや画像所見から可動域制限の原因を考えた上で,改善の可能性を考慮することも非常に重要です.

場合によっては改善が困難なケースも想定されますので,そういった場合に延々と繰り返して曲げる練習をしていても時間の無駄です.

改善の見込みがないのであれば代償手段を提示できるのも理学療法士・作業療法士の専門性ではないでしょうか?

 

今回は関節が曲がらないから曲げる練習をする,立てないから立つ練習をするのであれば理学療法士・作業療法士でなくても素人でもできるといったお話でした.

残念ながら関節が曲がらないから曲げる練習をする,立てないから立つ練習をするといった思考の理学療法士・作業療法士は少なくありません.

初心に帰って,原因を探索し改善可能性を予測する姿勢を忘れてしまえば,もはや専門家ではなくただの素人同然ですね…

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