作業療法士による歩行練習ってあり?

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作業療法士による歩行練習ってあり?

理学療法士の皆さんはこんな経験ありませんか?

「歩く練習をしましょう」とクライアントを誘いに行くと,「1時間前に作業療法士の●●さんと歩く練習はしました」みたいなパターンです.

お散歩しかプログラムに考えていなかった理学療法士は「まずい,単位を取得しなければならないのに必殺技のお散歩が既に行われている…」ということで困惑してしまうわけです.

でも作業療法士による歩行練習ってありですかね?

さまざまな意見があると思いますが,重要なのは目的ですよね.

今回は作業療法士による歩行練習ってありなのかについて考えてみたいと思います.

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作業療法士の役割は?

私は作業療法士ではありませんので,めった切りをされることを覚悟で書きますが,一般的には作業療法士の役割の1つに日常生活動作能力(ADL)の改善が挙げられると思います.

歩行練習と考えると理学療法士の役割なのかなとも思えるわけですが,日常生活動作の基本となる移動動作の練習という風に考えれば作業療法士の仕事の範疇なのかなとも考えられます.

 

 

 

 

 

 

 

 

外観上は同じように歩いているだけでも目的が異なる

はじめにも述べましたが,重要なのは目的ではないでしょうか?

最終的にはクライアント目線では,どちらも「歩く練習」にすぎないのかもしれませんが,理学療法士の歩行練習は身体機能面との関連付けや身体機能としての歩行に対するアプローチが中心になると思います.

したがって股関節が伸展していないとか踵接地がないとかそういった定性的な評価も兼ねたものになると思います.

作業療法士が行う歩行練習というのは移動練習です.

在宅での日常生活場面を考えてどうすれば安全に移動が行えるかを考えておこなっているわけですね.

場合によっては物を持って移動したり,環境や生活場面を想定したうえで歩行練習を行うわけです.

また作業療法士が行う歩行練習というのは歩行や移動の先の目的が重要だと思います.

買物をするためにとか,お孫さんに会いに行くためにとかそういった移動の意味付けがきちんと行えるのが作業療法士だと思います.

こう考えてみるとそもそも目的が違うんですよね.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ何も考えずに歩いているだけの理学療法士が問題

「歩く練習をしましょう」とクライアントを誘いに行くと,「1時間前に作業療法士の●●さんと歩く練習はしました」といったクライアントの返答にショックを受ける理学療法士の多くは散歩しかできていないからこそショックを受けるのではないでしょうか?

きちんと歩行分析をして身体機能との関連性を見つけ出してといった理学療法士であれば当たり前に行う作業を行えば,作業療法士が行う歩行練習とは全く異なる介入となるでしょう.

それが散歩しかできない理学療法士に限って,「作業療法士に仕事とられた」なんて不満を漏らしたりするんですよね.

まぁ理学療法士・作業療法士に関わらず単位稼ぎの歩行練習というのは問題外ですよね.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お互いを尊重できる関係性が理想

知識として歩行の基礎は抑えつつ,「理学療法士の視点での歩行」と「作業療法士の視点での歩行練習があっても良いと思います.

これをクライアントに理解してもらうのは難しいかもしれませんが,いずれにしても担当の理学療法士・作業療法士間できちんと連携を取って役割分担をしておくことが重要です.

お互いに「気付き」を与えられるような関係性が個人的には理想でしょうね.

 

今回は作業療法士による歩行練習ってありなのかについて考えてみました.

理学療法士であれば理学療法士の立場で作業療法士による歩行練習に負けない歩行練習をすべきですし,作業療法士であれば作業療法士の立場で理学療法士による歩行練習に負けない歩行練習をすべきですね.

それがプロフェッショナルというものでしょう.

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